2018 Fiscal Year Research-status Report
神経障害性痛におけるグリア細胞の役割の解明と新規治療薬の開発
Project/Area Number |
16K10987
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
南 敏明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00257841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 淳 大阪医科大学, 医学部, 助教 (00773516)
森本 賢治 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20388250) [Withdrawn]
上野 健史 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70782283) [Withdrawn]
中尾 謙太 大阪医科大学, 医学部, 助教 (50815719)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / アロディニア / アクロメリン酸 / MMP / アストロサイト / ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
Balb/Cマウスの右脛骨骨髄内に4T-1マウス悪性乳腺細胞を接種し、マウスがん性疼痛モデル (骨転移モデル) を作製した。骨転移モデルを用いてがん性疼痛の発現機構を、グリア細胞とMMPに着目し行動、腫瘍、脊髄の分子解析で評価した。MMP-9阻害薬の腹腔内、髄腔内投与は、腫瘍細胞接種処置側下肢の負荷比が改善した。リアルタイムPCRでは、晩期に処置側の脊髄後角でMMP-9が有意に増加した。免疫染色では、早期に腫瘍細胞接種した脛骨で、晩期に処置側の脊髄後角でMMP-9陽性の細胞数が増加した。すなわち、がん性疼痛モデルにおいて、早期では腫瘍細胞接種部位で、晩期では脊髄内のMMP-9が上昇し、MMP-9阻害薬投与で疼痛の軽減を認めた (Evid Based Complement Alternat Med. in press.)。 毒茸のドクササコ (Clitocybe acromelalga) の成分であるアクロメリン酸A誘導体の中からGIF-2034を、神経障害性疼痛治療薬の候補薬として選定した。GIF-2034で前処置したマウスを用いて骨転移モデルを作製し、がん性疼痛の発現機構を、グリア細胞に着目し行動、脊髄の分子解析で評価した。GIF-2034で前処置したマウスでは、無処置マウスに比較して、腫瘍細胞接種処置側下肢の負荷比が改善した。現在、グリア細胞の役割に関して検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
マウスがん性疼痛モデル (骨転移モデル) とMMPとの関係を優先して検討した結果、神経障害性痛におけるグリア細胞の役割を検討する実験が遅れた。しかし、神経障害性痛の発現機構の解明としては、多方面からのアプローチが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
大学院生に研究チームに加わっていただき、1カ月ごとにリサーチカンファレンスで実験の進捗状況を確認して、精力的に実験を遂行する予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度で研究課題を修了できる予定であったが、興味ある実験結果が得られたため実験が平成31年度まで遅延してしまった。研究費の大部分を実験動物と組織染色の費用として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)