2019 Fiscal Year Annual Research Report
The role of glia in neuropathic pain
Project/Area Number |
16K10987
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
南 敏明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00257841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 淳 大阪医科大学, 医学部, 助教 (00773516)
森本 賢治 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20388250) [Withdrawn]
上野 健史 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70782283) [Withdrawn]
中尾 謙太 大阪医科大学, 医学部, 助教 (50815719)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 脊髄 / アストロサイト / 乳酸脱水素酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経系には、乳酸をエネルギーとして利用する経路、アストロサイト-ニューロン乳酸代謝経路(ANLS: astrocyte-neuron lactate shuttle)がある。グルコースは、アストロサイトでピルビン酸に代謝された後、乳酸脱水素酵素(LDH : lactate dehydrogenase)によって乳酸に変換され、モノカルボン酸トランスポーター(MCT: monocarboxylate transporter)でアストロサイトから神経細胞に輸送され、再びLDHによってピルビン酸に変換された後、tricarboxylic acid(TCA)回路の基質となり、神経の電気活動を維持する。 抗てんかん薬であるスチリペントールは、LDHを阻害することでてんかんを抑制している。スチリペントールのLDH阻害作用に着目して、神経障害性疼痛とANLSの関係を検討した。マウスの脊髄L5神経を切離して作製した神経障害性疼痛モデルに、スチリペントール、他の抗てんかん薬カルバマゼピン、ガバペンチンを脊髄腔内に投与すると、全ての抗てんかん薬で用量依存性に疼痛閾値の改善を認めた。スチリペントール、カルバマゼピンおよびガバペンチンは、神経障害性疼痛で見られるアストロサイトの形態的な活性に影響を及ぼさなかった。スチリペントールおよびMCT阻害剤である α-CHCA(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid)の単独投与により神経障害性疼痛モデルマウスの疼痛閾値は改善したが、乳酸またはピルビン酸を同時投与すると疼痛閾値は低下した。スチリペントールが神経障害性疼痛に対して鎮痛効果があること、その効果はLDH阻害によること、ANLSが神経障害性疼痛の発現・維持に関与していることを示唆した (Fujiwara et al. J Anesth)。
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Research Products
(5 results)