2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K10993
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
長岡 明 山形大学, 医学部, 准教授 (10258618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 整 山形大学, 医学部, 助教 (00431643)
一柳 統 山形大学, 医学部, 講師 (70359561)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ERK5 / 腎癌 / miR143 |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の腎癌細胞株において、ウェスタンブロット法にてERK5の発現を認めた。A498株を用いてERK5をsiRNA法にて発現抑制したところ、抗アポトーシス蛋白であるBCl-2、XIAPの発現低下、細胞周期にかかわる蛋白であるp16、p27の発現低下を認め、MTS法により細胞増殖抑制がみられること、フローサイトメトリー法によりアポトーシス誘導が起こることも示唆される所見が得られている。これらの効果は、ERK5阻害剤であるXMD8-92によっても同様の効果を認めた。また、他癌においてERK5の発現抑制効果が報告されているmiR143を導入したところERK5の発現低下がみられ、siRNAや化学的阻害剤と同様、アポトーシス誘導や細胞増殖抑制効果が見られた。また、腎癌摘出標本において抗EKR5抗体を用いて免疫組織学的染色を行なったところ、多くの腎癌で強発現が観察された。 今後、XMD8-92以外の化学的阻害剤であるBIX02188やBIX02189を用いて同様にアポトーシス誘導や細胞増殖抑制効果がみられるかを検討する。また、A498株以外の細胞株、A704株、769P株を用いて再現がとれるか検討する。腎癌細胞株移植マウスモデルを用いてXMD8-92を投与し、ERK5阻害の臨床応用の可能性について検討していく。また、臨床検体を用いたERK5の発現を免疫組織学的に検討する検体を増やし、予後や病理学的事項等との関連を統計学的に解析する。また、RTqPCR法を用いてERK5の発現とmiR143の発現の相関を実臨床検体を用いて解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定で、ERK5阻害剤の効果、siRNA法によるERK5発現抑制の効果、miR143によるERK5発現抑制、これらERK5抑制によるアポトーシス誘導、細胞増殖抑制について証明できており、これまでのところ予定通り仮説を証明できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、免疫染色法によりERK5の発現を臨床検体で検討し、その臨床的意義を検討していく。また、miR143発現とERK5発現の相関を臨床検体でみることにより、実際の腎癌でmiR143によるERK5抑制がどの程度関連するかを調査する。また、ERK5阻害剤の臨床応用にむけ、腎癌細胞株移植ヌードマウスモデルを用いてin vivoでの効果をみる。
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Causes of Carryover |
おおむね計画通りにすすんでおり、次年度繰越金は31437円である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、抗体購入代金等に使用予定。
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