2016 Fiscal Year Research-status Report
臨床応用を目指した前立腺癌の発生・進展に対する環境因子の影響に関する研究
Project/Area Number |
16K11003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野々村 祝夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30263263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 元秀 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (40631015)
藤田 和利 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50636181)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 前立腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌の近年の発症増加は食生活の欧米化が原因と考えられているが、その機序は未だ明らかになっていない。慢性炎症がメタボリック症候群や癌の基礎的病態となっていることが明らかになりつつあり、前立腺癌の発症進展に食生活の変化による全身性慢性炎症が重要な役割を果たしている可能性がある。本研究では1. 前立腺発癌モデルマウスを用いて、前立腺癌の発生・増殖・進展と食餌の関係を慢性炎症の観点から検討する。2. 得られた知見を元に、前立腺癌発症進展の予防法の基礎的研究を行う。以上2つを目的として研究を行っている。平成28年度に、前立腺上皮特異的なPten,p53 遺伝子のダブルノックアウトマウス (Pten-/-Trp53-/-マウス)および、Pten遺伝子のノックアウトマウス(Pten-/-マウス)に通常食および高脂肪食を摂取させ22週目に前立腺の評価を行ったところ、有意に高脂肪食摂取群で前立腺腫瘍重量の増大を認めた。また、組織学的には浸潤癌の増加を認め、増殖のマーカーであるKi67染色を調べたところ有意に陽性細胞が増加していた。転移巣についても検索したが、2群間では差を認めなかった。前立腺組織内に浸潤する炎症・免疫関連細胞(樹状細胞、肥満細胞、マクロファージ、NK細胞、T 細胞、B 細胞、制御性T 細胞)のフローサイトメトリーによる解析を行い、その割合が食事の内容によって変化するかどうかを検討したところ、有意にMDSC細胞とマクロファージが高脂肪食投与に関連して変化していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
食事の影響を検討することをH28年度目標としていた。全て達成しており、メカニズムの解明を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
高脂肪食による前立腺癌増大のメカニズムの解明のため、免疫細胞をフローサイトメトリー法用いて評価を引き続き行う。またPCR法を用いてサイトカイン遺伝子の発現レベルの変化をみる。関与が疑われる免疫細胞の抑制による前立腺癌の発症・進展を予防できるかの基礎的研究を行う。
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Causes of Carryover |
予定していた出張が延期になったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
延期されていた出張に参加予定
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Research Products
(1 results)