2017 Fiscal Year Research-status Report
癌間質浸潤細胞におけるPGE2受容体を標的にした去勢抵抗性前立腺癌治療の検討
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16K11012
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
酒井 英樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40235122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 康好 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380888)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 去勢抵抗性前立腺癌 / E prostanoid receptor / prostaglandin E2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、去勢抵抗性前立腺癌(castration-resistant prostate cancer、CRPC)の癌細胞および癌間質浸潤細胞における4つのプロスタグランジンE2受容体(E prostanoid receptor、EPR)の発現を検討し、その臨床病理学的役割を明らかにすることである。 まず、アンドロゲン依存性(LNCaP)および非依存性(PC-3、DU-145)前立腺癌細胞株におけるEPRsの発現を確認した。次に、培地にEPRs 阻害剤を添加し、前立腺癌細胞の増殖能(MTT assayおよびcolony formation assay)、遊走・浸潤能(Scratch assayおよびinvasion assay)の変化を現在検討中である。 動物実験として、EPRs 阻害剤による前立腺癌の進行予防効果を明らかにする目的で、前立腺癌自然発生遺伝子改変マウス(knock-in mouse of adenocarcinoma of prostate、KIMAP)にEP1R阻害剤の経口投与を行い、前立腺組織を採取した。さらに、CRPCモデルを作製する目的で、KIMAPに精巣摘除術(外科的去勢)を施行した。去勢による前立腺癌の縮小効果を確認しているが、現在CRPCへの進展経過(癌の再増殖)を観察中である。 また、ヒト前立腺癌組織におけるEPRs免疫染色の条件設定は終了し、CRPCの癌細胞ならびに癌間質浸潤細胞におけるEPRs発現の臨床的意義を検討する準備段階として、生検によるCRPC組織の採取が進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度以降に計画していた、単球、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞などの免疫担当細胞におけるEPRs発現の検討は現在準備段階である。動物実験については、マウスにEPRs阻害剤の投与を行い計画通り前立腺組織を採取した。さらに、CRPCモデル作製が順調に進んでおり、腫瘍の再増殖を確認後、前立腺組織を採取する予定である。また、ヒトCRPC組織の収集も順調に進んでいる。 よって、総合的に「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
アンドロゲン依存性/非依存性前立腺癌細胞株においてsi-RNAを用いてEPRsの発現を制御し、細胞増殖能、遊走・浸潤能との関連、およびE-cadherin、c-Met、cortactin 、VEGFs発現との関連を明らかにする。 動物実験では、CRPCの間質組織におけるEPRs発現細胞の浸潤密度や種類を評価する。 臨床検体を用いて、CRPC組織におけるEPRs発現を調べ、細胞を用いた実験結果および動物実験結果と比較検討する。
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