2018 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌骨転移において骨髄由来間葉系幹細胞が癌細胞の悪性形質獲得に与える影響
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16K11014
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
野村 威雄 大分大学, 医学部, 客員研究員 (40347034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三股 浩光 大分大学, 医学部, 教授 (60219714)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨転移 / 骨髄由来間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究成果からBMSCsと共培養することで生じるLNCaP細胞におけるARリン酸化の亢進はAktシグナル伝達系による制御を受けていることが判明しており、本年度はその他のストレスシグナル伝達系(ASK1-JNK)について分子細胞学的に解析した。ASK1(apoptosis signal-regulating kinase 1)はサイトカインや物理化学的ストレスによって活性化されアポトーシスを誘導する細胞内シグナル伝達分子と言われているが、BMSCs(5×10^4個)とLNCaP細胞(5×10^4個)を共培養するとLNCaP細胞におけるASK1の発現亢進(3.8倍)を認めた。つまり本実験系においてASK1はアポトーシス誘導ではなく癌細胞増殖を誘導している可能性が示唆された。ASK1シグナル伝達系の下流分子であるMKKおよびJNK1、JNK2、JNK3について各リン酸化抗体を使用してシグナル活性化を解析したところ、MKKおよびJNK1、JNK2のリン酸化亢進を認めたがJNK3リン酸化には変化を認めなかった。またMKKおよびJNK1、JNK2、JNK3発現量は共培養下においても変化を認めなかった。 以上の結果からBMSCsと共培養することで生じるLNCaP細胞増殖促進はAktシグナル伝達系だけでなく一般的にはアポトーシス誘導の際に活性化されるASK1-JNK1・2シグナル伝達系による正の制御を受けていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BMSCsと共培養することでLNCaP細胞はAkt-ARシグナルの活性化を介して悪性形質(細胞増殖能、浸潤・遊走能)を獲得したことから前立腺癌細胞の骨転移巣での進展に骨髄由来間葉系幹細胞が影響を与えることが分かった。したがって平成30年度の研究ではその他のストレスシグナル伝達系(ASK1-JNK)の関係を解析した。平成30年度の研究では前立腺癌細胞悪性形質化に関する間質細胞の影響についてASK1-JNK1・2シグナル伝達系が関与するという新知見が得られたため、到達度としては上記と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
BMSCsが分泌するサイトカインによってLNCaP細胞はASK1-JNK1・2シグナル伝達系を活性化し悪性形質を獲得するため、今後はASK1阻害剤あるいはJNK阻害剤を用いてASK1-JNK1・2シグナル伝達系が本来のアポトーシス誘導ではなく癌細胞の増殖を調節することを分子細胞学的に解析する予定である。
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