2019 Fiscal Year Annual Research Report
Soluble cytokines derived from bone marrow-derived mesenchymal stem cells activated androgen receptor phosphorylation in human prostate cancer cells through ERK/MAP signaling pathways
Project/Area Number |
16K11014
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
野村 威雄 大分大学, 医学部, 客員研究員 (40347034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三股 浩光 大分大学, 医学部, 教授 (60219714)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 骨転移 / 骨髄由来間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
LNCaP細胞はBMSCs共培養下で有意に増殖し、浸潤・遊走能はそれぞれ2.13倍、2.75倍に増加した。共培養下ではLNCaP細胞におけるAR・Aktリン酸化亢進を認めたがERKリン酸化は変化を認めなかった。またSnail・Slugとも共培養下で発現亢進し、Snailの核内移行を認めたがEMT関連分子(E-cadherin、a・b-catenin、N-cadherin、Vimentin)の発現に変化は認めなかった。一方MMP-7およびCyclin D1は共培養下で発現亢進を認めた。Akt阻害剤によりLNCaP細胞の増殖、浸潤・遊走能はそれぞれ抑制され、ARリン酸化は抑制された。以上の結果からBMSCsと共培養下で生じるLNCaP細胞の細胞増殖能亢進はAkt-ARシグナル伝達系による制御を受けており、また浸潤・遊走能亢進はEMT非依存性でありMMP-7およびCyclin D1発現亢進による間質性変化に依存することが示唆された。BMSCsと共培養下ではLNCaP細胞におけるASK1の発現亢進を認めた。また共培養下においてはMKK、JNK1、JNK2、JNK3の発現は変化せずJNK1およびJNK2のリン酸化亢進を認めたがJNK3リン酸化には変化を認めなかった。以上の結果からBMSCsと共培養下ではLNCaP細胞増殖促進はAktシグナル伝達系に加えASK1-JNK1・2シグナル伝達系による正の制御を受けていることが示唆された。共培養下ではBMSCs におけるALP染色・TRAP染色陽性細胞の増可を認めた。以上の結果から骨転移巣ではBMSCsが破骨細胞あるいは骨芽細胞に分化し溶骨性および造骨性変化とも亢進する可能性が示唆された。 本研究ではBMSCsと前立腺癌細胞の相互作用による骨転移巣形成および癌細胞増殖・浸潤・遊走能が複数のシグナル伝達系によって制御される可能性が証明された。
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