2017 Fiscal Year Research-status Report
FDG PET/CTを活用した分子標的治療抵抗性腎癌に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
16K11021
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中井川 昇 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00237207)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢尾 正祐 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (00260787)
近藤 慶一 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (80363836)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | j腎細胞癌 / 血液マーカー / FDG PET/CT / プロテオミクス解析 / 薬物効果判定 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はグルコースの組織への集積を画像として描出するFDG PET/CT によって腎細胞癌の分子標的治療薬に対する反応をリアルタイムに評価できることを明らかにしてきた。更にFDG PET/CT 評価と同時に採取した血液検体をプロテオミクス解析し、FDG PET/CT 評価と相関する変化を示す血中蛋白を数10 種類同定した。そこで、これらの蛋白から①薬物療法の効果を判定する新規腎細胞癌バイオマーカーを同定するとともに、②治療に抵抗を示す際に血中濃度が上昇する蛋白に注目し、その機能を解析することで腎癌の分子標的治療薬に対する抵抗性獲得メカニズムを明らかにし、分子標的治療薬に抵抗性を示す腎細胞癌に対する新たな治療法を開発したいと考えている。 平成28年度は血液検体を用いたプロテオミクス解析によって薬物効果判定を目的とした血液バイオマーカーとなりうる候補蛋白の中から比較的腎癌組織に特異的に高発現していると考えられる2種を選択しELISA法による同蛋白の血中濃度の測定法を確立した。そこで、平成29年度はこの測定法を用いてプロテオミクス解析の結果を検証するとともに少数例ではあるが薬物療法を受けている腎癌患者の血液検体を用いてバイオマーカーとしての有用性について検討した。また、治療に抵抗性を示すと同時に血中濃度が上昇する数種の蛋白のヒト腎癌組織におけるmRNAレベルでの発現をRT-PCR によって解析した。 同時に少数例の検討でFDG PET/CT によって腎細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の効果を早期に判定できる可能性があることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度に開始を想定していたバイオマーカー候補蛋白の臨床的有用性を前向きに検討する多施設共同試験は施設間の連携に時間がかかり倫理委員会への申請が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
バイオマーカー候補蛋白の有用性を前向きに検討する多施設共同試験は平成30年度での開始を予定している。薬物治療に対する抵抗性獲得に関与すると予想される蛋白の発現を一時的に抑制する細胞モデルが確立できたため、今後はこれを用いて蛋白の機能解析を進めていく。
|
Causes of Carryover |
当初平成29年度から開始する予定であった多施設共同研究の開始が施設間の調整に時間を要したために、平成30年度に開始することとなった。 30年度に持ち越した助成金は平成30年度に開始するこの多施設共同研究において施行するFDG PET/CTの諸経費とマーカー候補蛋白の測定に必要な消耗品に使用する。
|
-
[Journal Article] FDG PET/CT after first molecular targeted therapy predicts survival of patients with renal cell carcinoma.2018
Author(s)
Nakaigawa N, Kondo K, Kaneta T, Tateishi U, Minamimoto R, Namura K, Ueno D, Kobayashi K, Kishida T, Ikeda I, Hasumi H, Makiyama K, Hayashi N, Osaka K, Muraoka K, Izumi K, Kawahara T, Teranishi JI, Miyoshi Y, Yumura Y, Uemura H, Inoue T, Yao M.
-
Journal Title
Cancer Chemother Pharmacol.
Volume: 81
Pages: 739-744
DOI
-