2016 Fiscal Year Research-status Report
癌抑制因子ATBF1の細胞内局在をバイオマーカーとする前立腺癌悪性度診断法の開発
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16K11024
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
川口 誠 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (50204699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 裕 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90285198)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ATBF1 / オスマウス / うっ血 / 肺胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌悪性化への ATBF1関与に関する分子メカニズムの解明を目的とし、我々は ATBF1 の conditional KO mouse を作成中である。Cre-ERT2mマウスと交配して、タモキシフェンでCre酵素が核内に移行させる条件でloxP配列にはさまれたATBF1遺伝子を切り出すシステムを採用した。このシステムを利用することで、胎児期に死亡して成体での解析が困難だったATBF1-nullマウスの欠点を克服して、成体マウスで癌の浸潤や転移に関する実験が可能になった。ただしメスのマウスは性周期に応じエストロゲンの血中濃度が高くなるため、タモキシフェンで誘導した条件と同じ状況で、種々の臓器で ATBF1が切り出される問題点がある。しかし、オスのマウスには性周期の問題が起こらないのでタモキシフェンによるATBF1 の切り出し誘導実験は有効だと考えている。私たちが解析する前立腺癌の研究にはなんら支障は起こらない。ATBF1 Conditional KO mouse を活用することにより、前立腺癌の転移や浸潤の分子メカニズムについて詳細に検討を加えることができると考えている。現在、この作業中である。 これらの作業の前段階として、胎児死亡してしまう ATBF1-null マウスが、どの様な経緯で胎児死亡するのかの解析を現在進行中である。ATBF1 の Wild typeマウスに比較して、(1)全身でのうっ血傾向を示し、(2)肺胞の生育が不完全であり、(3)成長(身長など)に遅延が認められる事を明らかにしているが、何故それらが起こるのかを明確に出来てないのが、現状である。ATBF1-null マウスから得られた fibrobalast の培養などを通して、ATBF1 がノックダウンされたときに変動する遺伝子を検索するなどの技術で、現在も検索を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Conditional KO マウスを作成後の研究の前段階として、ATBF1 WTマウスと胎児死亡する ATBF1 null マウスとの組織学的、生理学的な比較に難渋している。これをさし当たり明確にしたいのが、今後の研究に大いに寄与するという確信がその理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、ATBF1-null マウスおよび、培養 fibroblasts を使用した変動遺伝子の研究により、かなりの種類の procollagen 遺伝子の発現減弱に注目しており、その抗体購入後に行う免疫組織学的な比較検討により、ATBF1-null マウスの全身の結合組織での Collagen 発現減弱による組織の脆弱化を生じている事をまず、証明していきたい。
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Causes of Carryover |
昨年度の研究で、変動遺伝子を探る事が中心となり、助成金の使用が計画より遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
変動遺伝子で明らかになった標的が実際にどのように発現しているか、多種類の抗体を購入して検索予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] A diagnostic marker for superficial urothelial bladder carcinoma: lack of nuclear ATBF1 (ZFHX3) by immunohistochemistry suggests malignant progression.2016
Author(s)
Kawaguchi M, Hara N, Bilim V, Koike H, Suzuki M, Kim TS, Gao N, Dong Y, Zhang S, Fujinawa Y, Yamamoto O, Ito H, Tomita Y, Naruse Y, Sakamaki A, Ishii Y, Tsuneyama K, Inoue M, Itoh J, Yasuda M, Sakata N, Jung CG, Kanazawa S, Akatsu H, Minato H, Nojima T, Asai K, Miura Y.
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Journal Title
BMC Cancer.
Volume: 16
Pages: 805-816
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant