2016 Fiscal Year Research-status Report
海綿体神経損傷モデルに対する急性期骨髄幹細胞移植の有効性~勃起機能は回復するか~
Project/Area Number |
16K11052
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
松田 洋平 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (30740071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舛森 直哉 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20295356)
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20538136)
小林 皇 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30404669)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 間葉系骨髄幹細胞 / 勃起障害 / 前立腺癌 / 陰茎海綿体内圧 / 電気損傷モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
勃起障害は前立腺全摘除術の手術合併症の一つであり、患者QOLの低下を導く。本邦では年間約16000件の前立腺全摘除術が施行され、約10000人の術後勃起障害が発生している。術後の勃起機能は術直後で最低となる。その後、徐々に自然回復を認めるものの、術前の勃起能まで戻るのは30%程度と報告されている。術中操作による陰茎海綿体神経の損傷が勃起障害の主な原因であり、これまでに神経温存術の開発・工夫が重ねられてきたが、十分な効果は得られていないのが現状である。また、近年ではロボット支援前立腺全摘除術が本邦でも普及し、勃起機能温存への期待を持たれているが、術式間の大規模比較試験の報告はない。 この医原性勃起障害に対する既存の治療としてPDE5阻害薬投与による陰茎リハビリテーション、陰圧式勃起補助具の使用、プロスタグランジンE1の陰茎海綿体注射などが報告されているが、効果が限定的であり、新規治療の開発が求められている。 これまでに我々は骨髄間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell:MSC)をラット陰茎海綿体圧挫モデルに経静脈的に移植することで勃起機能が回復することを報告した。本研究の目的は、より臨床に近いラット陰茎海綿体神経電気損傷モデルを開発し、勃起障害に対するMSC治療の有効性、治療メカニズムを明らかにすることである。 現在までに本研究費によって、陰茎海綿体神経電気損傷モデルへの損傷後急性期MSC移植による勃起機能の保護・改善を生理学的、組織学的に明らかにした。さらにMSC移植の治療メカニズムとしてreal-time PCRによる神経栄養因子の発現を確認した。 以上のように、補助金は補助条件に従って、有効に使用されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット陰茎海綿体電気損傷モデルを開発し、MSC移植による勃起機能の保護・再生を生理学的、組織学的に明らかにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
急性期における勃起障害に対するMSC移植の有効性は明らかにした。亜急性期、慢性期におけるMSC移植による勃起障害への有効性を同様に確認する。 さらに陰茎海綿体神経損傷モデルに対するより効果的なMSC移植法の開発を進める予定である。
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