2019 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of urothelial master transcription factors diminished in interstitial cystitis
Project/Area Number |
16K11059
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
山西 友典 獨協医科大学, 医学部, 教授 (90220425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀 勘家 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80584812)
井上 健一 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90587974)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ダイレクトリプログラミング / 膀胱上皮幹細胞 / マスター転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究で同定した候補転写因子の発現ベクター12種類を作製し、間葉型膀胱癌細胞株(BOY、JMSU)に強制発現する実験系を開発した。候補転写因子の単独もしくは組み合わせが上皮→間葉型へと発現プロファイルが変化する様子を調べた(間葉上皮転換)。定量RT-PCRによる測定遺伝子は、膀胱上皮で高発現する43の転写因子と、既知の尿路上皮マーカー9種類である。測定遺伝子は強制発現に対する変動パターンに従って、以下のグループに分類された。 1. 間葉系から上皮系へと発現がシフトする測定遺伝子(BATF、ZBTB7C、HES2など)。2. 効果なし(FOSL2、NR1H3、OSR2など)。3. 上皮系から更に遠ざかる方向にシフトする測定遺伝子(IRF5、ID1など)。4. 候補因子によってまちまちな反応を示す測定遺伝子(GRHL3、TP63、SOX4など)。 既知のマーカーのうち、分化後期に発現するウロプラキン(UPK1A、UPK1B、UPK3A、UPK3B)は全ての候補因子に概ね反応した。一方幹細胞マーカーであるKRT5は、一部の候補因子を除き殆ど反応を示さなかった。 これらの結果は、候補転写因子の単独もしくは組み合わせによってある程度のリプログラミングを実現できることを示唆している。一方で三層構造から成る膀胱上皮を再構成するためには、正常な分化能を示す幹細胞までリプログラミングする必要がある。間葉型細胞株でKRT5を誘導する転写因子はその有力候補である。 今後線維芽細胞を材料としたリプログラミング実験を実施し、培養皿上で膀胱上皮を再構成する目標達成を目指す。
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