2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis for placental development via uNK cells and NKG2D system
Project/Area Number |
16K11076
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大塚 紀幸 北海道大学, 医学研究院, 助教 (00447046)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | NKG2D / NKG2Dリガンド / Rae-1 / uNK細胞 / 酸化ストレス / トロホブラスト |
Outline of Annual Research Achievements |
胎盤は、異物であるマウス胎児が子宮内膜に着床を契機として、創傷治癒過程に修飾が加えられて形成されると仮定している。創傷治癒過程に関与が想定される培養細胞を用いて、NKG2Dリガンドの発現誘導因子の特定を行った。 マウス皮膚線維芽培養時に亜ヒ酸ナトリウムによって酸化ストレスを加えると、NKG2Dリガンドの一つであるRae-1の発現が誘導された。胎盤形成初期において、胎児とトロホブラストの急激な増殖により、相対的な虚血と酸化ストレスが誘導因子となって、初期の構成細胞のNKG2Dリガンド発現誘導が起こり、これを介してuNK細胞が活性化される可能性が考えられる。現在、トロホブラストの細胞培養により、同様にNKG2Dリガンドの発現が誘導されることの確認を進めている。 創傷治癒モデルを用いた予備実験を施行し、炎症局所にNKG2D陽性細胞が誘導されることを確認した。胎盤では、局所に誘導され集簇しているuNK細胞が、NKG2Dリガンド発現を介してサイトカイン発現プロファイルに影響を受けると想定される。前述のトロホブラストとの共培養によるuNK細胞のサイトカイン産生の変動を測定している。 局所的な酸化ストレスが胎盤形成に影響を与える過程にNKG2Dシステムが関与していることを、in vivoで確認するため、酸化ストレス可視化マウス(OKD-lucマウス)や酸化ストレスモデル(Keap-1 遺伝子ノックアウトマウス)を用いて、NKG2Dリガンドの発現とuNK細胞への影響を検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、トロホブラスト細胞株へのNKG2Dリガンド遺伝子導入による研究を主に進める予定であった。しかしながら、酸化ストレスによるNKG2Dリガンドの発現検討をあわせて進めているため、NKG2Dリガンド遺伝子導入実験の進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、in vivoで、胎盤でのサイトカイン発現検討を進めている。この結果を受け、あわせて胎盤血管形成の評価を行うとともに、NKG2Dリガンド遺伝子を導入したマウス胎盤の解析を進めることを予定している。 また、前年度の検討で酸化ストレスとの関連が示唆されたことから、こちらの側面から、uNK細胞とトロホブラストの浸潤をin vivoで検討を進める。
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