2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of biomarker for preemptive medicine from perinatal period to prevent the metabolic syndrome
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16K11088
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
増山 寿 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30314678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 祐司 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特命教授 (80218817)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胎生期 / プログラミング / バイオマーカー / 継代的影響 / メタボリック症候群 / 妊娠高血圧症候群 / 妊娠糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
母体肥満は妊娠糖尿病(GDM)や妊娠高血圧症候群(HDP)といった妊娠合併症や胎児過剰発育をもたらすだけでなく,児成長後のメタボリック症候群(MS)発症リスクを増加させることが知られている。MS発症抑制には予防医学として様々な対策が講じられているが効果は不十分であり,更に一歩進めた胎児・新生児期からのハイリスク群の同定,早期介入などの先制医療が重要と考えられている。 本研究では,母体肥満子宮内環境による胎生期プログラミングを介した代謝エピゲノムへの影響の視点から世代を超えて発症するメカニズムを検討し,MS発症ハイリスク群の同定,介入効果判定のためのバイオマーカーを検索,開発し,臨床応用の可能性を検討し先制医療実践に 向けたコホート研究への基礎的研究を行うことを目的としている。 高脂肪食および通常食飼育妊娠マウスを用いて,母体肥満,耐糖能異常下の子宮内環境が胎生期プログラミングを介して出生仔成長後のMS発症に関与するメカニズムを糖・脂質関連代謝エピゲノムへの影響という面から解明し,MS発症ハイリスク群同定に向けたバイオマーカーを検索したところ、アディポサイトカイン、特にアディポネクチンとレプチンのプロモーター領域のヒストン修飾に変化を認め、複数世代にわたりこの変化は保たれ、またMSを発症しやすかった。さらにヒト臍帯血にて胎児発育異常を伴う妊娠合併症による子宮内環境の悪化によるアディポネクチン遺伝子の発現やエピゲノム変化への影響を認めた。 今後は、ヒト検体を用いて母体の体格・栄養状態(肥満・やせ)やGDMやHDPなどの妊娠合併症のもたらす子宮内環境の悪化の影響を代謝エピゲノムの視点からAC遺伝子に加えて,糖・脂質代謝関連遺伝子全体に拡げて解析し病態の実体に迫るとともに,子宮内環境や周産期経過を反映するバイオマーカーを探索し実用化へ向けて研究を進める予定である。
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Research Products
(20 results)