2017 Fiscal Year Research-status Report
メラトニンは卵胞閉鎖を抑制して発育卵胞数、排卵数を増加させる
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16K11091
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田村 博史 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50379947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹谷 俊明 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70464328)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メラトニン / 卵胞閉鎖 / 体外受精胚移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
①メラトニンの卵胞閉鎖抑制メカニズムの基礎的検討 卵胞発育過程においてメラトニンが卵胞閉鎖を減少させ発育卵胞数・排卵数を増加させることができるかどうか、また、メラトニン作用のメカニズムを詳細に解明するため、マウス実験モデルを作成し検討中である。10週齢ICR雌マウスをメラトニン投与群とコントロール群の2群に分け、13週齢まで3週間飼育した。メラトニン投与群はメラトニン水(100μl/ml)を飲水させ、コントロール群は水を飲水させた。卵巣を4%パラホルムアルデヒドにて固定、パラフィン包埋、薄切し、連続組織切片を作製し、へマキシトリン・エオジン染色を行い、光学顕微鏡下に原始卵胞、一次卵胞、二次卵胞、胞状卵胞などの各発育段階の卵胞数を計測している。閉鎖卵胞の検出は 、アポトーシスの過程で生じる断片化DNAをTUNEL法を用いた検出キットにより染色し閉鎖卵胞の割合を計測する予定。また、採取した顆粒膜細胞をDNAマイクロアレイ法でメラトニン投与群とコントロール群の遺伝子発現の違いをゲノムワイドに検討してメラトニンの卵胞閉鎖抑制機序を遺伝子レベルで詳細に検討する。
②発育卵胞数・排卵数増加をめざしたメラトニン投与の臨床応用 不妊治療における体外受精胚移植(IVF-ET)プログラムでメラトニン投与を併用することで発育卵胞数が増加するかどうかを検討する 。発育卵胞数、成熟卵胞数、採卵数、受精率、妊娠率などをコントロール(前周期)と比較することでメラトニン投与の有効性を検討しており、現在、症例数を増やしている。また、卵胞液中の顆粒膜細胞を採取し、メラトニン投与、非投与における顆粒膜細胞の遺伝子発現の変化をマイクロアレイを用いて検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メラトニンの卵胞閉鎖抑制メカニズムの基礎的検討では、動物(マウス)実験モデル作成に時間がかかるため(長期間メラトニン投与が必要な動物実験モデルであるため)。
発育卵胞数・排卵数増加をめざしたメラトニン投与の臨床応用では、対象となる体外受精胚移植(IVF-ET)プログラムで排卵誘発を施行しても卵胞数の少ない症例を集めるのに時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに、メラトニンの卵胞閉鎖抑制メカニズムの基礎的検討、および、発育卵胞数・排卵数増加をめざしたメラトニン投与の臨床応用の研究をすすめる。
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Causes of Carryover |
本年度に解析を行う予定であったマウス実験モデル(メラトニン投与)における卵巣顆粒膜細胞のDNAマイクロアレイ法による網羅的遺伝子発現の検討が、検体作成の遅れで見送ったため、未使用額が生じた。この未使用額については、平成30年度の研究費と合わせて、網羅的遺伝子発現の検討に充てる。
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Research Products
(3 results)