2017 Fiscal Year Research-status Report
パルスジェットメスによる精度の高い腹腔鏡下神経温存広汎子宮全摘出術の開発
Project/Area Number |
16K11126
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡本 聡 東北大学, 大学病院, 臨床検査技師 (40420020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 特任准教授 (10447162)
川口 奉洋 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (10723447)
渡邉 善 東北大学, 大学病院, 助手 (40722567)
新倉 仁 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80261634)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 子宮頸がん / 神経温存 / 広汎子宮全摘出術 / 腹腔鏡 / パルスジェット / 機能温存 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブタを用いた開腹での実験により、30V,400Hz,10ml/minの条件でパルスジェットメスを用いることで血管や神経に損傷を起こさず脂肪組織や結合織を分離切断することができることを再確認した上で、腹腔鏡下に使用できるパルスジェットメスおよび神経刺激装置を開発した。神経刺激装置については30mA,10Hz,1secのバイポーラ型の腹腔鏡用電気刺激装置を実際に腹腔鏡下に用いて膀胱を収縮させることが可能であることを確認した。これまで用いたブタが幼若ブタであり、実験としては、神経の同定も可能ではあったが子宮の発育が未熟でヒトへの応用を前提にした動物モデルとしては十分とは言えない状況であった。大きさは同様でも成熟したブタであれば内性器も成熟し、神経についてもより同定しやすい可能性を考え、ヒトへの応用を考えた時にはミニブタの方がより良いモデルになりうると考えて、幼若ブタの代わりに成熟したミニブタを使用して腹腔鏡下の神経温存手術でパルスジェットメスが使用可能かの評価を試みた。これまで用いてきた開腹用に開発したパルスジェットメスを腹腔鏡下手術でも使用できるように形状を変更した。新たに開発した腹腔鏡用のパルスジェットメスを用いて、腹腔鏡下手術を施行した。実際に膀胱神経を分離する際にパルスジェットメスを使用した。パルスジェットメスにより神経線維を切断することなく比較的容易に神経線維を周囲組織より分離することができた。神経温存後に腹腔鏡用の神経刺激装置にて神経温存した部分よりも中枢側を刺激したところ膀胱の収縮による膀胱内圧の上昇を認めることができ、神経の温存を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腹腔鏡用の電気刺激プローブが正常にワークすることを確認することができ、さらに腹腔鏡用のパルスジェットメスも開腹と同様に神経の分離操作に使用可能であることが確認できた。ブタを用いた実験として腹腔鏡下での神経温存手技を実現させるために必要な操作についてはほぼ予定通りに解析することができていることから現在までの進捗状況はほぼ予定通りと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ブタでの妥当性は確認できたので人の献体を用いることで解剖学的に実際の臨床応用に際して器械が使用可能であるか評価する。 またthiel法の遺体を用いることで生体に近いやわらかさが得られるのでパルスジェットメスのヒトでの切れ味の参考になると考えられた。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。 平成30年度請求額と合わせ平成30年度の研究遂行に使用する予定である。
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