2017 Fiscal Year Research-status Report
子宮平滑筋肉腫の治療標的であるAnnexin A4の機能解析
Project/Area Number |
16K11137
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 征巳 大阪大学, 医学系研究科, 招へい准教授 (60303963)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 慎哉 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00467565)
上田 豊 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10346215)
高田 友美 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (30437420) [Withdrawn]
小林 栄仁 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50614773)
吉野 潔 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90362730)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | Annexin A4 / プラチナトランスポーター / 子宮平滑筋肉腫 / 抗癌剤耐性 / 中和抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
① Anx A4 が細胞内プラチナ蓄積量を減少させた機序の解明 我々は過去の検討からAnx A4がプラチナトランスポーターの働きを促進し、プラチナ排出量が増加することを見いだしている。子宮平滑筋肉腫細胞株においてどの様なトランスポーターが発現しているかを解析するために、子宮平滑筋肉腫細胞株であるSK-LMS、SK-UT1、SKN細胞株を用いiTRAQ法にて細胞膜表面に発現する蛋白質を網羅的に解析した。その際に、複数個のプラチナトランスポーターを同定するとともに副次的に、子宮平滑筋肉腫細胞に特異的に発現する膜蛋白質Xを同定した。 ② 膜蛋白質Xの発現抑制は子宮平滑筋肉腫細胞株の増殖を抑制した Western Blotting法を用い、子宮平滑筋肉腫細胞株での膜蛋白質Xの発現を検討したところSK-LMS、SKN細胞株で発現を認めた。SK-LMS細胞株に対し、膜蛋白質XのsiRNAを遺伝子導入し発現を抑制したところ、7日目の解析において72%の増殖抑制を認めた。そのため、膜蛋白質Xが子宮平滑筋肉腫細胞株の増殖において重要な役割を有していることが示された。 ③ 膜蛋白質Xの中和抗体は子宮平滑筋肉腫細胞株の増殖を抑制した 膜蛋白質Xの中和抗体を、子宮平滑筋肉腫SK-LMS細胞株に投与したところ7日目において、28%の増殖抑制が認められた。そのため、膜蛋白質Xに対する中和抗体は子宮平滑筋肉腫の治療標的になると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
29年度計画はほぼ終了している。Anx A4の発現抑制は効果的なプラチナ耐性改善を示していたが、膜蛋白質Xの解析を優先したのは、膜蛋白質Xが子宮平滑筋肉腫の有望な治療標的であることが示されたためである。Anx A4の発現を抑制する方法は現時点では開発できておらず、中和抗体がある膜蛋白質Xの解析を優先する方針とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
膜蛋白質Xの機能解析 (1)SK-LMS細胞株に対して膜蛋白質XをsiRNAの遺伝子導入により抑制し、親株と発現を抑制した細胞株とを比較、検討する。Western Blotting法によりどのシグナルが抑制された結果、増殖が抑制されたかを解析する。 (2)膜蛋白質Xに対する中和抗体を投与した場合、siRNAを遺伝子導入した際と同様のシグナルが抑制されるかを検討する。 (3)SK-LMS細胞株を用いて、Xenograftモデルを作成し、膜蛋白質Xに対する中和抗体の投与によりin vivoにおいても増殖が抑制されるかを検討する。
|
Causes of Carryover |
膜蛋白質Xに対する中和抗体を追加購入する予定である。また、膜蛋白質Xがどの様な機序で子宮平滑筋肉腫の増殖を促進しているかの解析を行うための試薬を購入する予定である。
|
Research Products
(11 results)
-
[Journal Article] LSR Antibody Therapy Inhibits Ovarian Epithelial Tumor Growth by Inhibiting Lipid Uptake2018
Author(s)
Hiramatsu K, Serada S, Enomoto T, Takahashi Y, Nakagawa S, Nojima S, Morimoto A, Matsuzaki S, Yokoyama T, Takahashi T, Fujimoto M, Takemori H, Ueda Y, Yoshino K, Morii E, Kimura T, Naka T
-
Journal Title
Cancer Res
Volume: 78
Pages: 516-27
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Combination chemotherapy with irinotecan and gemcitabine for taxane/platinum-resistant/refractory ovarian and primary peritoneal cancer: a multicenter phase I/II trial (GOGO-Ov 6)2017
Author(s)
Yoshino K, Kamiura S, Yokoi T, Nakae R, Fujita M, Takemura M, Adachi K, Wakimoto A, Nishizaki T, Shiki Y, Tsutsui T, Kanda Y, Kobayashi E, Hashimoto K, Mabuchi S, Ueda Y, Sawada K, Tomimatsu T, Kimura T
-
Journal Title
Cancer Chemother Pharmacol
Volume: 80
Pages: 1239-47
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
[Presentation] 2',4'bridged nucleic acid antisense for Annexin A4 Improve platinum drug resistance of ovarian2017
Author(s)
Nakagawa S, Yoshino K, Kakubari R, Matsuzaki S, Okazawa A, Matsuzaki S, Kobayashi E, Ueda Y, Naka T, Kimura T
Organizer
第69回日本産科婦人科学会学術講演会
-
-
-
-
-
[Presentation] Ex vivo chemosensitivity assay using patient-derived spheroids of epithelial ovarian cancer2017
Author(s)
Ito Y, Kubota S, Kiyohara Y, Endo H, Kondo J, Matsuzaki S, Kimura T, Ueda Y, Yoshino K, Kamiura S, Kimura T, Inoue M
Organizer
第76回日本癌学会学術集会
-
-