2018 Fiscal Year Annual Research Report
Predictive diagnosis of endometriosis-associated malignant transformation by iron concentration measurement using magnetic resonance spectroscopic imaging.
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16K11150
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
吉元 千陽 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00526725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棚瀬 康仁 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20423915)
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40178330)
赤坂 珠理晃 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90526724)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MRスペクトロスコピー / ヘムオキシゲナーゼ1 / マクロファージ / 癌化 / チョコレート嚢胞 / 内膜症関連卵巣癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
チョコレート嚢胞と内膜症関連卵巣癌の腫瘍内鉄濃度をMRスペクトロスコピー(MRS)で測定した結果、R2値(MRSで測定した鉄濃度を反映する値)=12.1をカットオフ値として感度86%、特異度94%、陽性的中率80%、陰性的中率96%で卵巣癌との鑑別が可能であった。チョコレート嚢胞内鉄濃度に影響を及ぼす因子を検討するため、これまでR2値を測定できた症例においては、年齢、腫瘍径、月経周期、ホルモン剤などの有無に関して検討した結果、R2値に影響を及ぼす因子は同定されなかった。ただし、検討できた症例数が少なく、同一患者における変化に関しては測定できていないため、今後も検討を続けていく必要があると考えられた。今回の結論としては、R2値は腫瘍径や年齢等で影響を受けないことから、全内膜症患者に対して癌化を評価する有用な手法であると考えられた。 内膜症関連卵巣癌はチョコレート嚢胞と比較して相対的に総抗酸化物質が酸化物質より高いことが判明し、今年度は抗酸化物質の中でも、特にヘムの代謝に関連したヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)に着目して検討をおこなった。また、マクロファージには主に炎症性サイトカインを産生するM1マクロファージと、組織リモデリングに関わるM2マクロファージが存在し、HO-1はM2マクロファージから産生されることが知られているため、これらの発現も検討した。その結果、内膜症関連卵巣癌ではM1/M2マクロファージの割合が有意に低く、M2マクロファージの比率が高いことが示された。M2マクロファージの比率が増加することは、癌化の過程において重要な役割を担う可能性が示唆された。
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