2016 Fiscal Year Research-status Report
卵巣明細胞腺癌におけるネオ抗原および局所免疫応答の統合的解析
Project/Area Number |
16K11152
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 幸清 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30534193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 博和 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80597782)
織田 克利 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30359608)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 卵巣明細胞癌 / ネオアンチゲン / 免疫 / 予後 / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣癌における免疫学的な解析は近年進んでいるが、そのほとんどが漿液性癌に対するもので、日本人に多い明細胞癌に対してはほとんどこれまで調べられていない。本研究では、卵巣明細胞腺癌の腫瘍局所における免疫プロファイル を明らかにし、一方で全エクソームシーケンスデータから得られる患者 HLA および変異遺伝子の アミノ酸配列を利用して MHC-class I とペプチドの結合予測を行い、変異遺伝子によるネオアンチゲン候補およびその数を明らかにする。私たちが研究協力者として参画した次世代がん研究シーズにて行われた卵巣明細胞癌79 例の全エクソームシーケン スのデータを確認し、そのうち76例の卵巣癌の冷凍保存検体が追加利用可能であった、 これらの検体から total RNA を抽出し、網羅的な発現解析を行った。興味深いことに、漿液性癌ではT細胞の浸潤が予後因子となると複数の報告があるが、明細胞癌ではT細胞の局所における遺伝子発現は予後には影響与えないことがわかった。また、次世代がん研究シーズで行われた卵巣明細胞腺癌のエクソームシーケンスデータよ り、HLA タイピングソフトウエアを用いて HLA のタイピン グを行った。腫瘍局所のの免疫細胞浸潤をタンパクレベルで評価するために、CD3, CD4, CD8, FoxP3, HLA class I, IDO, PD-L1の免疫染色での評価系の準備を行い、CD8, HLA classI, IDOに関しては評価系を整備した。一方で対応表を元に患者臨床情報及び生存情報についてデータベースの作成も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンパクレベルでの免疫細胞浸潤の評価が一部で十分な評価が困難(FoxP3, PD-L1)であると判断したが、それ以外は予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はMHC class I 結合エピトープの予測を卵巣明細胞腺癌のエクソームデータを利用して、変異遺伝子をもとに新たな抗原性を もつと考えられる、いわゆるネオエピトープを in silico で解析する。また、特定のアルゴリズムを利用して、予測変異箇所 を含んだ アミノ酸配列より、9鎖のペプチドエピトープを抽出し、MHC class I epitope binding アルゴリズムを用いてそれぞれの HLA との結合予測 のランキングを行い、予測ネオエピトープ及びその数を同定する。
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Causes of Carryover |
一部のタンパクレベルでの局所免疫の評価系が十分に評価いできな方ため、当該分子の評価は進まなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗体や抗原賦活方を変更して、再度評価系の構築を試み、可能であればパラフィン標本が得られた症例に関しては評価を行う。
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