2016 Fiscal Year Research-status Report
エピゲノム異常を標的とした子宮内膜癌の新たな診断・治療法の探索
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16K11154
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
阪埜 浩司 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70265875)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 子宮内膜癌 / エピゲノム / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】子宮内膜癌は近年、罹患数および罹患率ともに増加傾向を示している。子宮内膜癌の征圧には発癌機構の解明が重要であるが、その分子機構はgeneticな異常だけでは十分に説明できていない。今回我々は子宮内膜癌におけるエピゲノム異常に注目し、子宮内膜癌の発癌機構解明の解明を目的とする。 【方法】慶應義塾大学病院産婦人科において子宮内膜癌と診断された患者のうち、書面による同意の得られた25人を対象とした。対象患者から末梢血および子宮内膜癌組織を得た。まず、腫瘍組織からDNAを抽出しMethylation Specific PCR (MSP)法にてMLH1、APCおよびE-cadherinのメチル化を解析した。3種のうち2種以上の遺伝子に異常メチル化が認められたものをMethyl-High (M-H)群、hMLH1にのみ異常メチル化が認められたものをMethyl-Low (M-L)群、1つも異常メチル化が認められなかったものをUnmethyl (U)群とした。次に、M-H群2例と年齢や病期を揃えた比較対象としてU群2例を選別し、各症例の末梢血からDNAを抽出した。次世代シークエンサーにて各群のメチル化をゲノムワイドに解析し比較することで、M-H群の発癌に寄与する異常DNAメチル化を同定した。 【結果】子宮内膜癌組織のMSP解析の結果、M-H群が2例、M-L群が7例、U群が16例であった。M-H群2例とU群2例の末梢血DNAからDNA libraryを作成し、Miseqにてシークエンスを行った。2群間でDifferential Methylated CpG (DMC)およびDifferential Methylated Region (DMR)解析を行った。その結果、M-H群でDMCおよびDMRに共通して有意にメチル化が高かったのは、miR-663aのプロモーター領域のみであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の段階では各群5例程度を次世代シークエンサーにて解析予定であったが、末梢血と癌組織両方が研究用に利用可能な症例が少なく、M-H群2例、U群2例の解析となった。しかし、研究自体は当初の予定通りのステップまで進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は研究計画通りエピミューテーション解析を行う。
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Causes of Carryover |
購入予定であった試薬が海外取り寄せとなり、本年度中の納入ができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
納入次第、使用予定。
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