2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of ovarian cancer carcinogenesis from fallopian tube epithelial cells
Project/Area Number |
16K11155
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
赤羽 智子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (40398699)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 卵巣癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣癌は婦人科腫瘍の中で最も予後不良である。国立がんセンターの報告によると、本邦では年間8400人が罹患し、約半数の4800人が死亡しているという現状にある。一方で、腫瘍が骨盤内に限局した進行期分類Ⅰ期症例の5年生存率は約9割に達している。このような現状から卵巣癌死亡者数を減少させるには早期発見が最も有効的対処法と考える。 近年の研究より、卵巣癌の主な上皮性腫瘍の一部は卵巣以外の場所からも発生することが解明されつつある。特に漿液性癌は卵管上皮に発生した細胞形態学的には異型の無い細胞に現れるp53過剰蛋白発現細胞(p53signature)がserous tubal intraepithelial carcinoma(STIC)と呼ばれる上皮内癌へと変化し、STICが卵巣へ移行し増殖することであたかも卵巣から発癌したかの様に見えるとされている。そこで卵巣癌早期発見にはp53signatureの細胞特性を解明し癌発症前に早期の対処することにあると考え本研究に至った。 本年度は遺伝性乳癌卵巣癌の原因遺伝子であるBRCA遺伝子変異保持者にてリスク低減両側卵巣卵管摘出術(以下RRSO)を施行された症例のp53signatureの特性を検出する目的で、RRSO検体のP53蛋白発現が確認された卵管上皮細胞を単離し、次世代シークエンサー(以下NGS)解析を行った。解析例の中には乳癌と耳下腺癌の重複癌例が存在したため、同症例の病変部についても同様に解析を行った。目的とする細胞よりDNAを抽出し、NGS用ライブラリーを作成後、275および1025遺伝子が搭載されたパネルを使用しターゲットシークエンスとアノテーション解析をおこなった。 NGS解析の結果から乳癌、耳下腺癌およびRRSO例の卵管上皮細胞に癌化に共通した変異は検出されなかったが、現在コピー数異常やimbalance異常について解析中である。
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Research Products
(5 results)