2019 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms and predictive factors of ovarian cancer metastasis to the diaphragm
Project/Area Number |
16K11158
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
大城 久 自治医科大学, 医学部, 教授 (60381513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 雅彦 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (80251304)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / リンパ行性転移 / 癌性腹水 / 腹膜播種 / リンパ管侵襲 / 横隔腹膜転移 / リンパ節転移 / 癌性腹膜炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も卵巣癌の横隔腹膜転移の病態とその予測因子を明らかにするため、当施設で卵巣癌の腫瘍減量術を受けた成人女性を対象に研究を行い、昨年度までの症例と合わせて総合解析を行った。 卵巣癌の手術中に腹水を採取して細胞診検査を行い、また、ブラシを用いて横隔腹膜擦過・液状化細胞診検査を行い、これらの検体中の癌細胞の有無を調べた。また、摘出された臓器の病理組織標本を作製し、卵巣癌の組織型や卵巣被膜破綻、卵巣被膜浸潤、原発巣における脈管侵襲、大網転移、大網以外の腹膜転移、リンパ節転移の有無等を調べた。 これまでの対象症例は76症例で、年齢の平均値は58.0、年齢の中央値は59.1、年齢の幅は33-84であった。術前化学療法を施行された症例は20例で、リンパ節郭清を施行された症例は43例であった。癌の組織型としては高異型度漿液性癌が32例含まれていた。横隔腹膜転移陽性例は15例認められた。横隔腹膜転移陽性例で頻度が有意に高かったのは、悪性腹水(p < 0.000;オッズ比42.9)、癌のリンパ節転移(p < 0.008;オッズ比27.0)、原発巣での癌のリンパ管侵襲(p < 0.016;オッズ比6.4)、癌の大網転移(p < 0.000;オッズ比13.7)、癌の大網以外の腹膜転移(p < 0.000;オッズ比11.2)、癌の卵巣被膜表面露出(p < 0.005;オッズ比5.6)、高異型度漿液性癌(p < 0.042;オッズ比3.5)、リンパ節非郭清例(p < 0.042;オッズ比0.3)、術前化学療法施行例(p < 0.012;オッズ比4.7)であった(Fisherの正確検定)。年齢や卵巣癌の被膜破綻、原発巣での癌の血管侵襲に関しては横隔腹膜転移陽性例と陰性例との間で頻度に差があるとは言えなかった。
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Research Products
(3 results)