2016 Fiscal Year Research-status Report
子宮体癌におけるイトラコナゾールの抗腫瘍効果解析及びレスポンダーの同定
Project/Area Number |
16K11166
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
鍔本 浩志 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80340975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 佳代 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80594754)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イトラコナゾール / リポジショニング / 子宮体癌 / AKT/mTOR / ABCA1 |
Outline of Annual Research Achievements |
【細胞株を用いた実験】子宮体癌細胞株 HEC-1A及びIshikawaを用いて、イトラコナゾールによる細胞増殖抑制実験(MTT assay)を行ったところ、いずれも抗真菌薬として内服した際のヒト血中濃度1 μMで有位に増殖が抑制され、イトラコナゾールによる濃度依存的かつ時間依存的体癌細胞増殖抑制効果が認められた。また、浸潤抑制実験 (migration assay) でもイトラコナゾールによる浸潤抑制効果が示された。これらを再検証し論文報告した(Inoue K, Tsubamoto H, et al. Anticancer Res, 36:149-53, 2016)。次に、子宮体癌細胞株AN3-CA、HEC-50B、SNG-IIでも同様にMTT assayを実施したところ、イトラコナゾールはAN3-CAに対して増殖抑制効果を認めたが、HEC-50B、SNG-IIでは抑制効果は認めなかった(non-responder群)。癌腫により異なる作用を示したため、5種類の子宮体癌細胞株をイトラコナゾール10 μM またはvehicle を用いて48時間培養した。5 pairsについてSurePrint G3 Human Gene Expression 8×60K v2 Microarray kit を用いたcDNA microarrayでtrascriptionの相違を検討し、さらに抽出蛋白の免疫組織染色でtranslationを検証した。これまでイトラコナゾールの癌細胞への腫瘍効果についてヘッジホッグシグナル阻害作用が報告されていたが、子宮体癌細胞株responderではヘッジホッグシグナルの変化は認めず、Akt/mTORの抑制、オートファジーの誘導により増殖が抑制されたことがわかった。また、Non-responderではコレステロールの細胞外輸送に関わるABCA1が抑制されていることがわかった(Tsubamoto H, et al. Anticancer Res, 37:515-519, 2017. AcknowledegmentにKAKEN JP16K11166 記載)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度までのin vitro実験内容を論文発表できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、prospective evaluation of the molecular effects of itraconazole ―window of opportunity trial (UMIN000018388)の症例集積中であり、平成29年5月1日現在で、子宮体癌は9例登録された。Primary endpointは、イトラコナゾール400mg 2~4週間内服前後の生検または手術摘出組織を免疫組織染色し、Ki-67 index が20% 以上減少したもの(responder)の比率であったが、中間解析結果では奏効率46%で、研究継続とした。イトラコナゾール投与前後の組織についてmRNA及び蛋白を抽出し、in vitro実験で得られたAkt/mTORの抑制及びオートファジーの促進を検証する。また、バイオマーカー候補でああるABCA1についても同様に検証する。イトラコナゾール投与前後のパラフィン固定された組織を用いてCD34免疫染色により微小血管密度(MVD)を計算し、VEGF-A及びVEGF-C免疫染色を行い蛋白発現を比較する。子宮体癌幹細胞マーカーとして報告されているCD133、ALDH1の免疫染色を行う。
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Causes of Carryover |
残金で購入できる研究対象物品がなかったため繰越とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金を合わせて来年度に研究対象物品を購入する予定とする。
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Research Products
(3 results)