2017 Fiscal Year Research-status Report
重度平衡障害者に対する感覚代行リハビリテーションの持越し効果とその実用化
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16K11191
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山中 敏彰 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (90271204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 佳郎 奈良県立医科大学, 医学部, 特任講師 (80240810)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | めまい / リハビリテーション / 平衡障害 / 歩行障害 / 感覚代行 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度と同様、姿勢や歩行機能の障害が存続する難治化した慢性平衡障害者に対して前庭覚代行装置(Vestibular Substitution Tongue Device: VSTD)を用いるリハビリテーション治療を試みて効果を検討した。今回は2例追加し10例に対して行なった。 頭位の傾きを感知する加速度計からの情報を電気信号に変換して舌に設置したインタフェースに伝達する、VSTDのシステムを使用して、バランストレーニングを8週間行った。評価項目として、重心動揺検査から得られる30秒間の動揺軌跡長と歩行条件から点数化した歩行機能視標(30点満点)を用いた。 重心動揺総軌長は222.5 ± 13.9 cm/30 s から 82.6 ± 14.9 cm/30 s に、歩行機能スコアは、13.1 ± 1.4から23.1± 1.7にそれぞれ変化し 両者ともに治療直後より著明な改善を示した。VSTDを取り外した後の効果を追跡観察したところ、12か月以上の時点で、重心動揺総軌長は86.0± 19.1、歩行機能スコアは24.9± 3.1となり、改善は、最短12か月でほぼ変動なく、効果は維持された。現在、短期間ではあるがトレーニング効果は持ち越され維持できる傾向が示されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象者が治療後も継続的に通院しており、中期的な評価が可能となっているため
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Strategy for Future Research Activity |
新規の対象を集めることに加え、現対象を引き続き評価していく。新しい評価項目(日常、社会活動状況など)も加えて調査する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 購入を予定していた機器(歩行評価タブレット、解析用コンピュータ、歩行撮影用ビデオなど)が未購入であることと出席予定の国際学会に出席できなかったことから (使用計画) 上記の、未購入機器(歩行評価タブレット、解析コンピュータ用、歩行撮影用ビデオなど)を購入する予定である。
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