2017 Fiscal Year Research-status Report
匂い分子結合タンパク質の生理機能の解明とドラッグ・デリバリーへの応用
Project/Area Number |
16K11206
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
澤田 研 室蘭工業大学, 工学研究科, 准教授 (50304308)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 匂い分子結合タンパク質の生理機構 / 嗅覚輸送によるタンパク質の脳での分布 / 嗅覚異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
両生類の嗅粘液に存在する匂い分子と結合する匂い分子結合タンパク質の生理的役割を解明し、本タンパク質を用いた脳への薬剤輸送系の確立のための基盤研究が目的である。 ①平成29年年度は生理機能の解明においては本タンパク質嗅覚受容体と相互作用することが知られていることから匂い分子結合タンパク質の相互作用領域を同定を目指した。 C末端欠失変異体を作成したところ欠失領域に結合領域が存在することが明らかになった。さらに領域を限定するためにペプチドを作成し解析した結果C末端側の30アミノ酸残基が関与していることがわかった。嗅神経細胞の匂い受容選択性と匂い分子結合蛋白質の選択性が高い類似性であることがわかった。嗅上皮での匂い分子に対する嗅神経細胞の分布を解析した結果、匂い分子結合蛋白質が分布している背側では匂い分子に対する嗅神経細胞の分布に局在性が見られたが、腹側では局在性は見られず均一に分布していることがわかった。また、吻側付近には成熟した嗅神経細胞が見られないことも明らかになった。 ②本タンパク質を用いた嗅覚輸送を用いた脳へのドラッグ・デリバリー・システムの確立において本タンパク質をマウスの嗅組織から投与することで時間経過的解析を行ったところ投与後10分程度では嗅球でのシグナルが確認できたが、大脳・小脳では確認できなかった。投与後30分では大脳皮質でのシグナルはみられたが、線条体でのシグナルは見られなかった。小脳においても弱いながらのシグナルが確認できた。約1時間程度で脳全体にタンパク質が輸送されていることがわかった。本タンパク質に結合した蛍光分子Bis-ANSの輸送は現解析したが弱いシグナルが見られはしたが条件を検討中である。また、嗅覚異常のモデルマウスの作成を試みた結果、嗅覚異常マウスの作成はできた。
(注)・印刷に当たっては、A4判(縦長)・両面印刷すること。 (1/5)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本タンパク質の生理機能解析では当初の予定通り研究は進んでいる。 しかし、本タンパク質を用いた嗅覚輸送による脳へのドラッグ・デリバリー・システムの確立では投与蛋白質の投与条件はクリアーできたが、タンパク質に結合した低分子の観察のほうではまだ解析が必要である。嗅覚異常マウスの作成はできたがまだ治療の開始は始まっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は研究計画は概ね順調に進展しており研究計画通り勧めていく予定である。 具体的には、、本タンパク質の生理機能解析において結合領域の限定をさらに進めたのち、アミノ酸残基レベルの解析を行う。 脳へのドラッグ・デリバリー・システムの確立では、投与タンパク質と低分子の分布を解析することと作成した嗅覚異常のモデルマウスを用いて脳へのドラッグ・デリバリー・システムと従来の投与方法との比較を行う。
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Research Products
(5 results)