2021 Fiscal Year Research-status Report
新規画像評価法による嗅覚障害からアルツハイマー病早期診断法の開発
Project/Area Number |
16K11219
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
三輪 高喜 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20229909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 康弘 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80242519)
志賀 英明 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (80436823)
張田 雅之 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40769105)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 嗅覚障害 / 認知症 / アルツハイマー病 / MRI / 嗅覚同定検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患では、早期に嗅覚障害が出現し、これらの疾患を発症した患者ではほとんどの症例で嗅覚障害を伴うことが知られている。そのため、嗅覚障害はこれらの疾患の早期発見のためのバイオマーカーとなりうるのではないかとの仮説に基づき本研究を進めてきた。前年度までに健常高齢者、軽度認知障害(MCI)患者、アルツハイマー病患者を対象として、嗅覚検査(Open Essence)、MRI(VSRADによる海馬、嗅内皮質萎縮度の計測、嗅球ならびに前頭洞体積の計測)、認知機能計測(MMSE)、食品摂取頻度、生活機能測定などを行い、疾患による影響を検討した。その結果、MCI、アルツハイマー病と進行するにつれて、嗅覚機能、認知機能、嗅球体積が減少することが判明した。また、それらの機能低下は手段的動作能、生活機能、問題行動、介護負担と強く相関した。さらに嗅覚同定能と認知機能は、蛋白摂取量、発酵食品摂取度、歩行速度とも相関した。以上の結果から認知機能の低下は、嗅覚機能と強く相関し、嗅覚機能、嗅球体積の測定により、認知機能の低下を予見できる可能性が示唆された。次年度は前年から続く新型コロナウイする感染症流行の影響で、思うような症例の蓄積はなかったが、以上の結果を基に成果をまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、思うような症例の蓄積が得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られたデータを解析し、学会、論文等で発表したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により、学会の現地開催がなくなりオンラインでの発表となったため、旅費の支出が少なくなった。 次年度は、得られたデータの解析に多変量解析が必要とされており、解析可能なソフトを購入する。また、米国化学受容学会、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会、日本鼻科学会などに参加、情報収集とともに、得られた成果を発表する。
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