2016 Fiscal Year Research-status Report
ミセル化パクリタキセルによる頭頸部癌次世代治療戦略と薬剤耐性克服への応用
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16K11227
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
遠藤 一平 金沢大学, 附属病院, 助教 (30547154)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 化学療法 / drug delivery system / シスプラチン |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌の化学療法においてキードラッグであるシスプラチンについて。シスプラチン併用の化学放射線療法が標準療法の一つである。しかしシスプラチンは骨浸潤した腫瘍に対しての制御が悪いことが問題である。近年、drug delivery systemを応用した薬剤の開発が盛んとなっており、特に骨浸潤における問題を解消するためにシスプラチンにリン酸基をつけ電荷型にした薬剤が開発された(3Pt)。今回、頭頸部癌細胞株を用いて、3Ptとシスプラチンの抗腫瘍,腎機能障害について検討した。in vitroでの抗腫瘍効果に関しては3Ptはシスプラチンよりも劣る結果であった。しかし頭頸部癌移植モデルマウスを用いた検討では、両者の薬剤は抗腫瘍効果については同等であった。腎機能障害については、シスプラチン投与群では3Pt投与群に比して、尿細管上皮細胞でのアポトーシスが亢進しており、3ptが腎機能障害が軽減していることがわかった。さらに下顎骨浸潤モデルマウスにおける検討では3Pt投与群がコントロール群やシスプラチン群に比べて、骨破壊の抑制効果が高かった。以上から3Ptは従来のシスプラチンに比して特に骨浸潤のあるような腫瘍において高い抗腫瘍効果が期待でき、また腎機能障害の軽減がはかれることが分かった。現在、3Ptとシスプラチンに関して頭頸部癌に対するさらなる抗腫瘍効果、骨浸潤における腫瘍制御メカニズムの解明にとりくんでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Drug delivery systemの観点から我々は頭頸部癌治療において新しいプラットフォームである薬剤の有用性を検討してきた。今回、3Ptの頭頸部癌での抗腫瘍効果を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はミセル化パクリタキセルを用いて、頭頸部癌における有用性の検討を行う予定である。頭頸部癌細胞株、頭頸部癌移植マウスを用いて従来のパクリタキセルと抗腫瘍効果を比較する。またパクリタキセルの有害事象である骨髄抑制や神経障害についても検証する。さらにシスプラチン耐性の細胞株についても検証し、薬剤耐性の頭頸部癌における有用性も検証する予定である。
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Causes of Carryover |
細胞培養、薬品、マウス購入費が想定より低かったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、物品(動物、薬品)等の購入にあてる予定である。
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