2017 Fiscal Year Research-status Report
脱細胞喉頭土台を用いた喉頭全摘後の喉頭再生に関する研究
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16K11229
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
平野 滋 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10303827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 眞一 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (00271510)
中村 達雄 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
岸本 曜 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (80700517)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 喉頭再生 / 脱細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、喉頭全摘後の喉頭の再生を目指し、近年発達してきた脱細胞技術を用いた脱細胞喉頭土台を作成し、そのFeasibilityを検証するものである。ポイントとしては、脱細胞技術の確立があり、拒絶反応を起こさない脱細胞喉頭土台を作成することが重要である。まず、ラット摘出喉頭に対する脱細胞法を各種検討した。試薬としてアルカリ、酸、非イオン性界面活性剤(Triton X100)、イオン性界面活性剤(SDS:ドデシル硫酸ナトリウム)、デオキシコル酸などを試し、脱細胞性、脱免疫応答性、組織維持性を様々な角度から検討した。その結果、SDS浸漬を7日間行う事で90%の脱細胞が可能であった。一部軟骨細胞が残存するが、MHCクラスI抗原への抗原性は示さず、DNA定量でもほぼ残存なく、免疫応答性に問題ないと思われた。その後さらなる長期浸漬を行っても、軟骨細胞は残る事と、組織構築に必要なコラーゲン線維、エラスチン線維、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックスの損耗が激しくなるため、7日間浸漬をもって至適条件とした。さらに、本当に免疫応答性がないかを検討するため、作成した脱細胞喉頭土台をラットの背部皮下、および腹部への移植実験を行った。まず、脱細胞していない喉頭をそのまま移植すると、高率に潰瘍形成、軟骨膜破壊、血管侵入などの拒絶反応が認められた。脱細胞土台を同様に移植すると、個体によっては潰瘍形成や炎症細胞浸潤が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脱細胞の指摘条件を設定することができた。拒絶反応の確認をしているところであり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
拒絶反応の有無について追加の確認をしたうえで、喉頭土台の移植実験へ移る予定である。
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Causes of Carryover |
研究分担者の金丸先生の実験がやや遅れており、その経費分持越しとなった。 来年度に実験消耗品に使う予定である。
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Research Products
(5 results)