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2017 Fiscal Year Research-status Report

声帯組織の維持・修復における上皮間葉転換の役割

Research Project

Project/Area Number 16K11230
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

北村 守正  京都大学, 医学研究科, 助教 (60543262)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大森 孝一  京都大学, 医学研究科, 教授 (10233272)
平野 滋  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10303827)
楯谷 一郎  京都大学, 医学研究科, 講師 (20526363)
岸本 曜  京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (80700517)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords上皮間葉移行 / 声帯 / マウス
Outline of Annual Research Achievements

初年度に引き続き本研究の目的は、組織幹細胞の候補と考えられる上皮間葉移行細胞を創傷治癒過程における声帯内で確認し、同細胞の特徴を評価することである。声帯粘膜損傷後に生じる瘢痕声帯はその治療方法が依然として確立されておらず臨床上の課題となっており、その治癒過程に影響を与えるであろう上皮間葉移行細胞の理解は将来の治療戦略を確立する上で重要である。一方で声帯における上皮間葉移行研究の現状は、その損傷時に上皮間葉移行細胞が治癒過程で果たす役割はおろか、上皮間葉移行がおきているのかどうかですら未だ不明なままにとどまっている。これまでに以下の内容を確認できている。
1.上皮間葉移行細胞の同定;K5Cre系統とCAG-td Tomato系統をかけ合わした遺伝子組み換えマウスに対し内視鏡下に片側の声帯損傷を行ったところ、上皮間葉移行細胞は創傷14 日後に確認できた。無傷害の声帯並びに創傷1、3、5日後の声帯では同細胞は確認できなかった。
2.上皮間葉移行を生じる際における粘膜上皮の状態評価;上皮間葉移行が生じる条件の一つに、粘膜上皮細胞同士の結合力が低下していることが必要であると仮定し、上皮バリアを形成する細胞間物質であるタイトジャンクションの機能検証を行った。実験方法として、ラット声帯を内視鏡下片側声帯損傷後、免疫化学染色並びにビオチントレーサーを用いた上皮バリア機能の評価を行った。創傷3日後時点では上皮が被覆しておらず、創傷5日後にはタイトジャンクション関連タンパクであるオクルディンが上皮内に部分的に出現するものの、ビオチントレーサーは上皮を透過し粘膜固有層にまで浸透することが確認できた。一方、創傷14日後にはオクルディンは無傷害の声帯に近い状態まで回復しビオチントレーサーも上皮を透過できず上皮バリア機能も修復されることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の予定では声帯の慢性炎症モデルを作成することによって上皮間葉移行細胞の数を増加させ評価を行う方針であったが、以下の理由により中断している。
1)炎症惹起物質の全身投与は目的外の臓器に対する有害事象が強く、通常の遅延した創傷治癒とは異なる経過をたどる可能性が高い。
2)炎症を目的とした物質の局所投与はマウスにおいて手技が確立しておらず、安定した結果を得ることが困難であった。
今年度は上皮間葉移行細胞の特徴はを直接評価する代わりに、上皮間葉移行が生じる際の周辺環境について評価を行った。上皮間葉移行が生じるためには当然上皮細胞が必要だが、創傷5日後に上皮が出現、その後タイトジャンクションが未熟な期間に遊走した上皮間葉移行細胞が創傷14日後に確認された。

Strategy for Future Research Activity

1)本年度の結果でタイトジャンクションが未熟な期間に上皮間葉移行が生じている可能性が示唆されたが、タイトジャンクションが成熟する創傷14日以降にも上皮間葉移行が生じているかどうかは不明である。まずは創傷作成後長期経過した声帯において上皮間葉移行細胞がどの程度増減しているかの評価を行う予定である。
2)当初予定していたK5CrexCAG-td Tomato系統のマウスにⅠ型コラーゲン産生細胞がGFPで標識されるCol1a1GFP系統のマウスとかけ合わせることで、上皮間葉移行細胞のコラーゲン産生がどの程度持続するのか評価する予定である。

Causes of Carryover

(次年度使用額が生じた理由)物品費が予想していた金額より低く収まったため
(使用計画)次年度の物品費(実験材料)の経費に充てる予定である

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Process of tight junction recovery in the injured vocal fold epithelium: Morphological and paracellular permeability analysis2017

    • Author(s)
      Suzuki Ryo、Katsuno Tatsuya、Kishimoto Yo、Nakamura Ryosuke、Mizuta Masanobu、Suehiro Atsushi、Yamashita Masaru、Nakamura Tatsuo、Tateya Ichiro、Omori Koichi
    • Journal Title

      The Laryngoscope

      Volume: 128 Pages: E150~E156

    • DOI

      10.1002/lary.26959

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-12-17  

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