2016 Fiscal Year Research-status Report
サイトカインシグナル阻害分子(SOCS)導入による頭頸部癌に対する遺伝子治療
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16K11232
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大月 直樹 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (40343264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹生 健一 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20251283)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | サイトカインシグナル阻害因子 / 頭頸部癌 / 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は、HPV16陽性頭頸部癌細胞株にin vitroでHPV癌遺伝子E6とE7遺伝子に対するアンチセンスRNAを組み込んだアデノウイルスベクターを作成し、その細胞殺傷効果を確認している。また、in vivo実験においては、シスプラチンの腹腔内投与に加えこのウイルスベクターの局所投与を併用することにより、シスプラチン単独投与に比べ腫瘍の増殖が抑制され相乗効果が認められることを確認している。 今回の研究ではこれまでのアデノウイルスベクターによる遺伝子導入の技術を応用して、SOCSを腫瘍細胞に導入し強制発現させることを計画している。 当教室研究室で保有している頭頸部扁平上皮癌培養細胞株のSTAT3の発現を確認し、JAK/STATシグナル回路の活性化が認められるかどうかを確認し、研究に適した細胞株の選定を行なった。現在、発現の少ない細胞株についてはMSP(Methylation specific PCR)によりプロモーターのメチレーション状態を確認し、エピジェネティックな発現抑制があるかどうかを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
STAT3の発現の高い細胞株に対してアデノウイルスベクターを用いたSOCSを導入すること予定であるが、アデノウイルスベクターの調整に時間を要している。早期に条件を設定して、アデノウイルスベクターを用いてSOCSを導入し、JAK familyおよびSTATの蛋白レベルでの発現抑制が認められるかを確認する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、in vitroでの研究を進め、STAT3高発現の細胞株にアデノウイルスベクターを用いてSOCSを導入することにより、JAK familyおよびSTATの蛋白レベルでの発現抑制が認められるかを確認する。導入後に培養を継続し細胞の増殖、アポトーシスおよび癌関連遺伝子の発現への影響について検討する。アデノウイルスベクターの品質管理、調整、条件設定については連携研究者(白川)の協力の下に行う。研究が順調に進めば、抗癌剤投与との併用についても検討する。
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