2016 Fiscal Year Research-status Report
中咽頭癌発癌における口腔内マイクロバイオームの関与
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16K11242
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 秀聡 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (50727196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 大佑 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10620990)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中咽頭癌 / マイクロバイオーム / HPV関連中咽頭癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)関連中咽頭癌の発癌における、口腔内マイクロバイオームの関与を検討することを目的としている。 方法として①HPV感染のある中咽頭癌(HPV関連中咽頭癌)群、②HPV感染のない中咽頭癌(従来型中咽頭癌)群、③非患者群に対して口腔内の菌叢構造解析(メタ16S解析・メタゲノム解析)を行い、群での口腔内マイクロバイオームの系統組成とその機能組成を比較を行う。 しかしHPVの検出方法は標準化されたものはなく,また基準値に関してもさまざまな報告がある。その為、まずは対象となる中咽頭癌患者をHPV関連中咽頭癌群とHPV感染のない従来型中咽頭癌群に分類するために施行するHPV DNAのin situ hybridizationとp16INKaの免疫組織化学染色の手順・所見を過去の症例を用いて検討した。p16INKaの免疫組織化学染色の陽性の基準は70%以上と設定した。その結果、過去の中咽頭癌症例91例中、p16INKaの免疫組織化学染色で陽性は40症例であった。従来の報告どおり、HPV DNAのin situ hybridizationは特異度は高く、感度が低い、p16INKaの免疫組織化学染色は感度は高いが特異度は低い結果であった。 以上の結果より検討する群として、HPV関連中咽頭癌(HPV DNA陽性かつp16INKa陽性(70%以上))、従来型中咽頭癌(HPV DNA陰性かつp16INKa陰性(70%以下))とし,検討することとした。 また、上記基準に相当する患者の唾液の採取を現在継続して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
疾患群の検体が解析に必要と考えられる数に達しておらず、口腔内の菌叢構造解析が実施できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔内の菌叢構造解析に必要な検体数の唾液の採取が完了次第、メタ16S解析,メタゲノム解析を行う。採取の進捗状況が芳しくない場合,検体数を減らすことを検討する。
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Causes of Carryover |
実験計画に遅れがあり、口腔内の菌叢構造解析が行えていないため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
検体数が揃い次第、口腔内の菌叢構造解析を行い使用する。
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