2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K11254
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
花井 信広 愛知県がんセンター(研究所), 遺伝子医療研究部, 研究員 (80381797)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超音波検査 / 頭頸部癌 / 化学放射線療法 / 頸部リンパ節転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、頸部エコーによる化学放射線療法(CRT)後の転移リンパ節の治療効果評価法を確立することを目的とする。CRT後の評価法としては通常CTやPET-CTが行われるが、CTは診断率が不十分である。多施設にてCRT後の治療効果を判定する症例を集積した。「超音波検査(US)による化学放射線治療後の治療効果判定基準(案)」に沿っておこなったUSの正診率と過去に行った予備試験の結果におけるCT・PET-CTの正診率、本試験でのPET-CTの正診率との比較検討を行い、USの有効性につき評価した。 2016年12月で症例の登録を終了した。35人の患者が登録され、32人の患者で評価可能であった。男性が29人(91%)、女性が3人(9%)、年齢の中央値は65歳(範囲:46-77歳)であった。原発巣は上咽頭2例、中咽頭18例、下咽頭11例、喉頭1例であった。超音波の正診率は78%(特異度83.3%、陰性的中率92.6%)、一方でPET-CTでは正診率90%(特異度89.7%、陰性的中率100%)であった。 過去の予備研究におけるCT(またはMRI)の正診率は60%(特異度67%、陰性的中率77%)であり、超音波診断はこれを上回っているものと考えられた。CTに比べ低侵襲で安価である超音波の有用性を示すことが出来たと考える。12週時点での診断においてはPET-CTが未だゴールデンスタンダードである。「超音波検査(US)による化学放射線治療後の治療効果判定基準(案)」の更なる改善点、特に超音波の特徴的所見を分類し、更に検討を加える予定である。また予後を含めた最終的な追跡期間は2018(平成30)年11月までの予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに症例の集積が終了し、追跡期間も研究期間内に終了するため計画通りに進んだと考える。 プライマリエンドポイントである正診率(83.3%)に関しても事前に期待値80%、閾値60%の設定であった為、これに合致した。 超音波の特徴的所見、つまり液体成分の有無、(転移病巣による占拠性病変の)充実成分のエコーレベル、(転移病巣による占拠性病変の) 充実部分の均一性、内部血流の有無、のいずれかまたはその組み合わせが、更に超音波診断の正診率を向上させる要素とならないか検討中であるが、未だその関連を示すことは難しい状況である。 本研究の進捗状況、情報共有のための研究会は計3回(H29年6月:京都、H29年9月:金沢、平成29年11月:那覇)おこなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
CTに比べ低侵襲で安価である超音波の有用性を示すことが出来たと考える。成果を学会発表および論文にて公表予定である。 しかしながら12週時点での診断においてはPET-CTが未だゴールデンスタンダードである。超音波の有用性をさらに引き出すために「超音波検査(US)による化学放射線治療後の治療効果判定基準(案)」の更なる改善点、特に前述した超音波の特徴的所見と診断との関係、また超音波所見におけるリンパ節サイズとの関係につき、更に検討を加える予定である。また予後を含めた最終的な追跡期間は2018(平成30)年11月までの予定であり、最終的なデータについてまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
研究の成果発表のための学会参加を来年に繰り越した為、次年度使用額が発生した。
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