2016 Fiscal Year Research-status Report
食品添加物由来の組織シーラントを用いた結膜癒着防止効果の検討
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16K11258
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡本 芳史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00537219)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 癒着防止 |
Outline of Annual Research Achievements |
白色家兎緑内障モデルで術中に粉末状LYDEX(ライデックス)を用いて線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)を施行し、組織学的評価をおこなった。白色家兎3匹3眼に線維柱帯切除術を施行した。術中、線維柱帯切除後に粉末状LYDEXを術野に散布しBSS (Balanced Salt Salution) 溶液を滴下しゲル化させ結膜縫合を行い、手術を終了した。術後7日、術後1ヶ月、術後3ヶ月に眼圧、組織癒着の状態を細隙灯顕微鏡検査、前眼部光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)によって評価した。その後術後4ヶ月時点で家兎を安楽死のうえ組織標本(Hematoxylin-Eosin染色)を作成し、炎症や癒着の程度を評価した。術後、細隙灯顕微鏡検査で全ての家兎眼において有意な炎症や感染兆候はみられなかった。前眼部光干渉断層計では術後3ヶ月時点においても結膜下および強膜フラップ下に低輝度のスペースが残存し、LYDEXが吸収されずに残存していることが示唆された。組織標本においても結膜下にLYDEXが確認され、炎症細胞浸潤、肉芽形成、線維化はほぼみられず、軽度の瘢痕化がみられるのみであった。緑内障手術においてLYDEXは少なくとも4ヶ月残存し、術野の組織癒着は軽微であり、癒着防止効果は少なくとも4ヶ月間は継続する可能性が示唆された。また明らかな低眼圧や炎症もみられていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LYDEX併用トラベクレクトミーを白色家兎眼に施行し、術後4ヶ月の組織標本でLYDEXの残存が確認されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、粉末状LYDEX以外の成形したLYDEX(シート状など)を使用して同様の実験をおこなう予定である。
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Causes of Carryover |
テロに影響を鑑みて国際学会への出席を取りやめたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は国際学会へ参加予定である。
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