2016 Fiscal Year Research-status Report
時計遺伝子の遺伝子多型による正常眼圧緑内障の眼圧日内変動の予測
Project/Area Number |
16K11262
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
東出 朋巳 金沢大学, 附属病院, 講師 (20291370)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 緑内障 / 眼圧 / 日内変動 / コンタクトレンズセンサー / 時計遺伝子 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)緑内障患者(無治療・正常眼圧緑内障)の日内変動パターンの解析 緑内障患者の眼圧日内変動パターンの解析のために、無治療の原発開放隅角緑内障(広義) 患者(高眼圧症含む)17例17眼に対して、コンタクトレンズセンサー(CLS, Triggerfish, Sensimed 社)を24時間装着して電位変動(mvEq)を測定した。CLS装着前眼圧は、14.6±3.1mmHg(10~22mmHg)であった。CLSの電位変動のamplitudeは、110.0±46.2mvEq、acrophaseは、22時から4時にみられた。acrophaseが2時以前にみられた9例と2時以降にみられた8例では、ハンフリー視野のMD値がそれぞれ-3.3±1.2dB、-9.7±4.0dBであり、視野の悪い眼では有意にacrophaseが遅かった(p=0.002,t検定)。装着から21時までの電位変動幅は、中心角膜厚と有意な負の相関(r=-0.714, p=0.002)があった。一方、21時から取り外しまでの電位変動幅は、前日の眼圧日内変動幅(9時から24時)と有意な正の相関を示した(r=0.668, p=0.005)。今後、症例数をさらに増やして、これらの新しい知見の確証を得る必要がある。 2)時計遺伝子群の遺伝子多型の解析 時計遺伝子の遺伝子多型(SNP)と眼圧日内変動との関連を調べるために、BMAL1(5か所; rs2290035, rs6486121, rs3789327, rs969485, rs11022775)、CLOCK(2か所; rs1801260, rs4580704)、PER1(3か所; rs2735611, rs885747, rs228959)、PER2(3か所; rs2304672, rs7602358, rs934945)、PER3(2か所; rs10462020, rs228697)、CRY1(1か所; rs2287161)、CRY2(1か所; rs10838524)のSNPのタイピング法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、平成28年度にコンタクトレンズセンサーによる眼圧日内変動のデータ取得を25例において予定していたが、17例にとどまった。 時計遺伝子の遺伝子多型については、予定通りタイピング法を確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)緑内障患者(無治療・正常眼圧緑内障)の日内変動パターンの解析 平成28年に引き続き、コンタクトレンズセンサーによる眼圧日内変動パターンのデータ収集を行う。平成29年度には、新たに約40例のデータ取得を予定する。 2)時計遺伝子群の遺伝子多型の解析と多型による眼圧日内変動パターンの予測 平成28年度に得られた結果を基にして、候補遺伝子多型について、多型のタイピングを行い、眼圧変動パターンと時計遺伝子群の遺伝子多型の関連を統計学的に検討し、遺伝子多型によって眼圧変動パターンを予測できるかどうか決定する。
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