2017 Fiscal Year Research-status Report
網膜電図装置RETevalで測定したフリッカERGの健常者における基準値の解明
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16K11266
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
加藤 久美子 三重大学, 医学系研究科, 助教 (50642071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 峰生 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80303642)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | RETeval / フリッカERG / 瞳孔面積 / 再現性 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本眼科学会総会において、RETevalを用いて測定したPhNRの結果の再現性について報告した。PhNRを評価する際には、a波、b波の振幅、潜時のほかに、b波とPhNRの振幅の比であるP比、W比が用いられるが、これらの複数の変数の中でもW比が最も再現性が高く、また網膜疾患がない被験者間において値の変動が少ないことがわかった。 瞳孔面積を変化させながらフリッカERGを測定すると、瞳孔面積が大きくなるに従い、潜時が有意に延長することを以前我々は報告した。そこで我々は、瞳孔面積に応じて光刺激の強度を補正することで、一定のERGを測定することができるのではないかという仮説をたて、これを検証するために3種の光刺激補正プログラムを使用して、瞳孔面積を変化させながらフリッカERGを測定した。その結果、瞳孔面積に応じて光刺激を補正することで、瞳孔の大きさに関わらず、一定の網膜電図を測定することが可能であることがわかった。 また、150人の健康な被験者を対象にRETevalを用いてフリッカERGを測定し、その結果と等価球面度数、眼軸、瞳孔面積などの眼のバイオメトリーとの相関を検討したところ、眼軸と瞳孔面積とが有意に相関することがわかり、Investigative ophthalmology & visual scienceで報告した。また、フリッカERGの振幅は性別により差がある可能性を本論文の中で示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、1か月に10人程度のペースで健常被験者から網膜電図を測定しており、100~120人/1年のペースでデータを収集することができている。 白内障手術前後の網膜電図の比較に関しては、眼底に異常がない健康な被験者を集めることが困難で、データ収集が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
日本臨床視覚電気生理学会で報告した内容を論文にすること、引き続き健常被験者からのデータ収集を継続し、網膜電図の性差に関して検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
網膜電図を測定する際に必要なセンサーストリップの必要量が、当初の計画よりも少ない量で済んでいるため。 平成30年度に行う網膜電図測定に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)