2016 Fiscal Year Research-status Report
原発開放隅角緑内障眼の緑内障手術治療効果に影響する遺伝因子の検討と治療効果予測
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16K11267
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤木 忠道 京都大学, 医学研究科, 講師 (30580112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 秀雄 京都大学, 医学研究科, 助教 (80724278)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 緑内障 / 遺伝因子 / 手術成績 |
Outline of Annual Research Achievements |
緑内障に対する治療は眼圧下降であり薬物療法で十分な眼圧下降効果が得られない場合に緑内障手術治療が行われるが、手術前に手術効果を予測することは困難である。緑内障手術のうち生理的な房水流出路からの房水流出を促進する流出路再建術は低侵襲で安全性が高い反面、眼圧下降効果が限定的であり、その効果は個人差が大きい。この術式では、特定の病型(偽落屑緑内障、ステロイド緑内障)において効果が大きいことが知られており、手術効果に何らかの遺伝要因が影響している可能性がある。緑内障には遺伝的要素が強く関係することが知られており、現在までに緑内障発症に関係する遺伝子がゲノムワイド関連解析の手法を用いて多数報告されている。しかしながら、今までに緑内障手術の効果に影響を与えうる遺伝性因子を検討した報告はない。本研究は、全ゲノム領域を対象に、一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism)をマーカーとして関連解析を行うことで、これら遺伝要因を解明することを目的とする。 平成28年度は、蓄積されたDNAサンプル227例を用いて、緑内障に関連する既知の遺伝子であるTMCO1, CAV1/CAV2, CDKN2B-AS1, ABCA1, SIX1/SIX6の5遺伝子から既報を参考に11個の一塩基多型(rs12723198, rs10918271, rs10918281, rs1052990, rs518394, rs10120688, rs4977756, rs2472493, rs2487032, rs10483727, rs33912345)を選択し、Taqman法で一塩基多型の遺伝型解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蓄積されたDNAサンプル227例全例でゲノム学的研究参加の同意を取得できている。これらの症例に対しては、術後成績の評価のため、眼圧値のほか、追加の緑内障手術やレーザー治療、術前及び術後の緑内障点眼数などの臨床情報収集も進行中である。対象症例227例については、緑内障関連遺伝子の網羅的遺伝型探索を準備中であり、現在収集過程である臨床情報を目的変数として術後成績に関与する遺伝型の検討を今後行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
Taqman法にて決定した、既知の緑内障関連遺伝子の遺伝型検索により、緑内障だけでなく緑内障手術(線維柱帯切開術)の術後成績と関連しうる遺伝子を網羅的に検討し、種々の臨床情報と掛け合わせることで候補遺伝子の探索を予定通り進める。また、新規対象患者の症例登録も引き続き行っており、候補遺伝子の再現性確認のために準備中である。
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Causes of Carryover |
平成28年度に計画していた全ゲノムスキャンが延期となり次年度施行予定となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に全ゲノムスキャンを行うために必要な物品費、人件費として主に使用する予定である。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Cone Integrity in Glaucoma: An Adaptive-Optics Scanning Laser Ophthalmoscopy Study2016
Author(s)
Hasegawa T, Ooto S, Takayama K, Makiyama Y, Akagi T, Ikeda HO, Nakanishi H, Suda K, Yamada H, Uji A, Yoshimura N
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Journal Title
Am J Ophthalmol
Volume: 171
Pages: 53-66
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Clustering of Combined 24-2 and 10-2 Visual Field Grids and Their Relationship With Circumpapillary Retinal Nerve Fiber Layer Thickness2016
Author(s)
Nakanishi H, Akagi T, Suda K, Hasegawa T, Yamada H, Yokota S, Yoshikawa M, Iida Y, Ikeda HO, Morooka S, Ishihara K, Yoshimura N
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Journal Title
Invest Ophthalmol Vis Sci
Volume: 57
Pages: 3203-3210
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Evaluation of retinal blood flow speed before and after topical tafluprost treatment in glaucoma patients using adaptive optics scanning laser ophthalmoscopy2016
Author(s)
Iida Y, Akagi T, Nakanishi H, Ikeda HO, Morooka S, Suda K, Hasegawa T, Yamada H, Yoshikawa M, Uji A, Yoshimura N
Organizer
The Association for Research in Vision and Ophthalmology
Place of Presentation
シアトル(米国)
Year and Date
2016-05-01 – 2016-05-05
Int'l Joint Research
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