2023 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical studies to establish diagnostic methods for HTLV-1-associated ocular diseases.
Project/Area Number |
16K11268
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中尾 久美子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30217658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 龍二 鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 教授 (70336337)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HTLV-1 / uveitis / adult T-cell leukemia / HAM/TSP |
Outline of Annual Research Achievements |
R5年度はHTLV-1関連ぶどう膜炎(HAU)や成人T細胞白血病(ATL)症例の受診がなく、新たな試料(眼内液と血液)は収集できなかったので、データの再検討と総括を行なった。 眼内液のHTLV-1プロウイルスDNA検索がHAUの診断に有用であるかを検討するため、研究期間内に採取したHAU7例とHTLV-1キャリアに発症したサルコイドーシスによるぶどう膜炎1例の眼内液と末梢血液でHTLV-1 tax遺伝子とβ-アクチン遺伝子を測定した結果、HAUでは眼内液のproviral loadは末梢血液に比べて3ー266倍と非常に高い症例もあったが、一方で0.7ー1.1倍と高くない症例もあった。またHTLV-1キャリアのサルコイドーシスでも眼内液のproviral loadが高く、眼内液のHTLV-1 proviral load 単独ではHAU診断の指標とはならないと考えられた。 また、ATL、HTLV-1キャリアおよび非キャリアの血清と眼内液て可溶性インターロイキン2レセプター(sIL-2R)を測定し、内眼炎の有無で分けて比較した結果、内眼炎(-)の眼内液sIL-2Rは低値で、ATLでも血清のsIL-2R値をこえることはなかった。内眼炎(+)の眼内液sIL-2Rは内眼炎(-)に比べて有意に高値を示し、ATLではキャリア、非キャリアに比べて有意に高かったが、脈絡膜浸潤では高値を示さなかった。以上から眼内液のsIL-2RはATL眼内浸潤診断の指標になる可能性があるが、HTLV-1キャリアや非キャリアでも眼内の炎症が強い場合は眼内液sIL-2Rが高値を示すこと、ATL眼内浸潤であっても前房や硝子体に浸潤していなければ眼内液sIL-2Rが低値を示す可能性があることに留意する必要があることが確認された。
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