2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K11270
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
武藤 哲也 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40364608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 繁樹 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30285613)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖尿病黄斑浮腫 / ROCK阻害薬 / ファスジル / 硝子体注射 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病黄斑浮腫患者に対してROCK阻害薬であるファスジルの硝子体注射(0.025mg/0.05ml、Nourinia et al., 2013, Ahmadieh et al., 2013)を8人10眼に行った。経過は良好でヒトの糖尿病黄斑浮腫に有効である可能性が高い感触を得ている。しかしながら症例数がまだ少数であり、今後も更に症例数を増やし、最終的には倍の症例数で確かめたいと考えている。 現在、ファスジル単剤の硝子体注射をヒトの糖尿病黄斑浮腫に行った報告も未だ存在せず、副作用もなく有効であれば、さらに安価で抗VEGF抗体とは異なる機序を持つ薬剤と言う点で今後の糖尿病網膜症治療に大きく貢献する。今まで金銭面の問題から糖尿病黄斑浮腫の治療を躊躇する患者、抗VEGF抗体の硝子体注射が無効であった患者などには第一選択薬になる可能性があり、糖尿病黄斑浮腫の治療が大きく変わる可能性がある。 ファスジルだけで糖尿病黄斑浮腫治療できるかと言えば、それほど単純ではないと推測される。ファスジルに抗VEGF抗体や副腎皮質ステロイド薬などを組み合わせて、治療を行うようになれば、治療の幅が広がり、成績も向上すると期待される。現状では、網膜光凝固、硝子体手術、硝子体注射の合わせ技で治療を行っているが、治療方法がひとつ増えると、それに伴い今後の発展が多いに期待される。これらの点からヒト糖尿病黄斑浮腫での有効性確認は、大変意義深いと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験が遅れている。ヒト糖尿病黄斑浮腫に対するファスジルの硝子体注射でなかなか思うように症例が集まらず、進行が遅れ、そこに集中したところ、動物実験に遅れが出た。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト糖尿病黄斑浮腫に対するファスジルの硝子体注射の症例が集まるよう、周囲に呼びかけている。症例数が集まり軌道に乗ったら動物実験も開始する。
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Causes of Carryover |
予定よりも動物実験が進まず、費用を使い切れなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物実験やヒト糖尿病黄斑浮腫に対する治療を今後も進めていく。
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