2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K11270
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
武藤 哲也 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40364608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 繁樹 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30285613)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ROCK阻害薬 / 糖尿病黄斑浮腫 / 硝子体注射 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病網膜症の基本病態は高血糖に伴う血管原生病変である。糖尿病網膜症を発症する前に、微小血管細胞のアポトーシス増加、周皮細胞の減少、正常構造をもたない血管の増加などを特徴とする血管病変が生じる。コネキシン(Cx)が糖尿病で減少するとギャップジャンクションを介した細胞間コミュニケーションが減少し、結果としてアポトーシスが増加する。近年の研究でRho/Rho キナーゼ (ROCK)が、糖尿病血管合併症に関与していると考えられており、またROCKは、細胞間連絡を阻害し、Cx43と深い関係があることが報告されている。 我々は、糖尿病網膜症においてROCKを阻害すると網膜血管細胞や網膜組織内のギャップジャンクションを介した細胞間連絡とCx43の減少が抑制され、アポトーシスが減少すると仮説を立てた。このことを実証するため、選択的ROCK阻害剤であるファスジルを糖尿病ラットの硝子体に注射し、影響を調べる。ファスジルは、抗VEGF抗体の約5万分の1とはるかに安価であり、作用機序が抗VEGF抗体や副腎皮質ステロイド薬と全く異なる。そのため、抗VEGF抗体や副腎皮質ステロイド薬が無効な症例にも有効な可能性がある。また動物実験で作用機序の確認だけではなく、実際にヒトの糖尿病網膜症に対して効果があるかどうか確認することが最重要である。ヒトの糖尿病黄斑症患者に対してファスジルを硝子体注射して、実際の治療効果を検討する。 現在まで、ヒト糖尿病黄斑浮腫8人10眼にROCK阻害薬であるファスジル硝子体注射を施行した。注射前と注射後1月、2月、3月まで経過観察中で、症例を現在増やしている所である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ファスジル硝子体注射に同意される患者様が予想よりも少なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ファスジル硝子体注射に同意される患者様を増やしていき、最終的に30眼ほど集める予定である。
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Causes of Carryover |
ヒト糖尿病黄斑浮腫に対するROCK阻害薬ファスジル硝子体注射の効果が弱く、かつ硝子体注射希望者が少なかったので、動物実験が遅れた。そのため、積極的にヒト糖尿病黄斑浮腫へのファスジル硝子体注射をすすめて症例数を増やす。また動物実験を速やかに行う。
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