2019 Fiscal Year Annual Research Report
The possibility of ROCK inhibitor for diabetic retinopathy treat
Project/Area Number |
16K11270
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
武藤 哲也 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40364608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 繁樹 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30285613)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ROCK / ファスジル / 糖尿病黄斑症 / 硝子体注射 / 視力 / 網膜中心窩厚 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病網膜症においてRho/Rho キナーゼ (ROCK)を阻害すると、アポトーシスが減少する可能性があるため、糖尿病網膜症に有効な可能性がある。今回、我々はヒトの糖尿病黄斑症患者に対してROCK阻害薬であるファスジルを硝子体注射して、実際の治療効果を検討した。 研究の主旨に同意したヒトの糖尿病黄斑症患者13人14眼(平均65.7±5.2歳)に対してファスジルを0.025mg/0.05ml硝子体注射した。視力、眼圧、網膜中心窩厚について硝子体注射前と注射後1,2,3か月で比較した。ハンフリー中心視野(10-2)、網膜電図(a波, b波, OP波(ms), OP波(uV))は、硝子体注射前後で比較した。統計は一元配置分散分析と対応のあるt検定を用いた。 視力、眼圧、網膜中心窩厚は、ファスジル硝子体注射による有意な変化はなかった(視力:P = 0.99, 眼圧:P = 0.72, 網膜中心窩厚:P = 0.38)。ハンフリー中心視野、網膜電図(a波, b波, OP波(ms), OP波(uV))も同様に有意な変化はなかった(ハンフリー中心視野:P = 0.24, a波:P = 0.61, b波:P = 0.50, OP波(ms): P = 0.54, OP波(uV): P = 0.84)。 眼圧、中心視野、網膜電図が不変であったことから、ファスジル硝子体注射は、ヒトの糖尿病黄斑症に対して副作用はないと考える。しかしながら視力、網膜中心窩厚も不変であり、今回用いた濃度または注射回数では無効であると考える。
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