2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K11275
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
柴 友明 東邦大学, 医学部, 准教授 (40408810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真生 東邦大学, 医学部, 助教 (00408783)
松本 直 東邦大学, 医学部, 講師 (60385888)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / レーザースペックルフローグラフィー / 眼底血流波形解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
中小動物眼用レーザースペックル・フローグラフィー(LSFG)への改変依頼をソフトケア㈲に依頼し完成後、実際に測定を開始した。具体的には中小動物(白色家兎、マイクロミニピッグ)における眼底血流測定を開始した。白色家兎においてはケタミン、キシラジン、イソフルランを麻酔薬として導入し、LSFGで眼底血流を経時的に測定しながら同時に血圧、脈拍のモニタリング、レーザードップラー法で大腿動脈、頸動脈、耳皮下血流及びCardio anckle vascular index、心拍出量を測定する「大血管-微小血管測定系」の確立を目指し研究を行った。30年度内には本測定系における変動係数、組内相関係数を確認し、論文化する予定である。今後アドレナリンやエンドセリン等の薬剤負荷を行い、血管作動薬に対する眼底血流の影響を大血管の循環動態と対比しながら行うことを予定している。また、単回の研究であるが老齢のマイクロミニピッグを用いて眼底測定を行い、心拍数、心拍内における眼底血流の変動から得られる眼底血流波形解析を行った。結果、動脈、静脈、脈絡膜の眼底血流が測定可能であり、ヒトから得られる波形と類似していることが解明し、動脈硬化モデルに適応可能であること可能性を見出した。臨床研究においては既存症例のデータ解析を遂行し、LSFGにおける眼底波形解析項目が心臓超音波検査における評価項目であるE/e' ratioにより表される左心室拡張障害、左心室駆出率で表せられる左心室収縮障害をArea under curveにおける0.70以上で中等度以上の診断能力があることを確認した。本研究においては研究期間内に海外雑誌論文化を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中小動物用レーザースペックル・フローグラフィー(LSFG)が完成し測定を開始することが可能となった。具体的には中小動物実験において、白色家兎にケタミン、キシラジン、イソフルランを麻酔薬として導入し、LSFGで眼底血流を経時的に測定しながら同時に血圧、脈拍のモニタリング、レーザードップラー法で大腿動脈、頸動脈、耳皮下血流及びCardio anckle vascular index、心拍出量を測定する「大血管-微小血管測定系」の確立を目指し研究を行った。現在本測定系で4回白色家兎に対する測定を行った。1回の測定で500回の眼底イメージを測定しており、現在解析を遂行している。老齢のマイクロミニピッグを用いて眼底測定を行い、心拍数、心拍内における眼底血流の変動から得られる眼底血流波形解析を行った。結果、動脈、静脈、脈絡膜の眼底血流が測定可能であり、ヒトから得られる波形と類似していることが解明し、動脈硬化モデルに適応可能であること可能性を見出した。臨床研究においては既存症例のデータ解析を遂行し、LSFGにおける眼底波形解析項目が心臓超音波検査における評価項目であるE/e' ratioにより表される左心室拡張障害、左心室駆出率で表せられる左心室収縮障害をArea under curveにおける0.70以上で中等度以上の診断能力があることを確認した。我々の立案した研究計画における眼底血流波形解析における心血管イベント予測に起因する左心室拡張障害、収縮障害を高確率で検出可能であることを確認することが出来た。また今後動脈硬化モデル動物作成における起点となる白色家兎測定系も成功しており、現在研究は概ね順調に遂行されていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究において、東邦大学医療センター佐倉病院・循環器センターと共同研究で検査を行った症例(250症例)に対して、以下のエンドポイント生化学的検査、生理学的検査と眼底血流波形解析法との関連性検討する。①脳・心血管イベントの発症② 心血管イベント発症患者に対しては冠動脈再狭窄、新たな心血管イベントの発症③ 全死亡。 臨床研究における課題としてはLSFGにおける眼底血流測定において、正常値の設定がなされていないのが現状である。健診、人間ドック施行施設との共同研究で多数健常人で測定を行い、正常値設定を予定している。中小動物実験では、白色家兎における大血管-微小循環測定系において詳細な急性期実験を開始する。具体的にはαβ受容体刺激薬であるアドレナリン、α受容体拮抗薬であるフェントラミンを用いたアドレナリン反転試験を行い、全身動態と眼底微小循環動態の血管硬化に対する反応を検討する。同時に白色家兎における血液流量負荷における自動調節能機能に対する効果を検討する。エンドセリンやL-NAMEを用いて血管内皮機能の影響を検討する。動脈硬化モデルを作成しその差異を検討する。マイクロミニピッグの実験においては若年例の測定を行い測定を行った老齢のマイクロミニピッグとの比較検討を行う。
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Causes of Carryover |
本研究の目的は、臨床研究において眼底血流の脳・心血管イベント予測に対する有用性を確立すること、動物実験において動脈硬化(血管硬化)における眼底微小循環への影響をレーザースペックルフローグラフィーで検討することにある。動物実験における研究基盤となる中小動物実験用レーザースペックルフローグラフィーの取得に対して費用を計上した。また臨床研究、動物実験における実データ解析においてはパソコンが必要となる。本研究専用のパソコンにおいて費用を計上した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降の研究として、臨床研究では健常人における正常値設定、動物実験では急性期実験を開始する予定である。両検討においては膨大な測定データが蓄積されるため生データ解析はソフトケア㈲に委託するため費用を計上した。また、動物実験では薬剤費、管理費などが発生するため併せて費用を計上した。
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