2018 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship among presbyopia onset and pinguecula grade as a biomarker of ocular UV dosimetry
Project/Area Number |
16K11277
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
初坂 奈津子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (50505352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 洋 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60260840)
西野 善一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70302099)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 疫学研究 / 紫外線被ばく / 瞼裂斑 / 老視 / 調節力 / 水晶体硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
水晶体の調節力が低下する老視が紫外線被ばくに起因する白内障の初期変化であるとの仮説のもと、眼部紫外線被ばくと調節力についての研究を行ってきた。H30年に石川県金沢市のオフィスワーカー196名の調査を施行し、漁師を中心とした屋外労働者の調査結果との比較および水晶体と調節力の関係について検討した。調節力は他覚的機器を用いて測定し、水晶体の散乱光強度および形状はEAS-1000(ニデック)を用いて測定した。問診により屋外活動歴を聴取し、屋外作業1年以上経験のある人を屋外労働者71名(44.9±11.1歳)とオフィスワーカー154名(43.4±10.4歳)に分けて比較した。両群とも水晶体各層の散乱光強度の増加に伴い調節力は有意に低下し(p<0.001)、特に核部である中心間層の散乱光強度は年齢を考慮しても有意な相関となった(p=0.049)。調節力は20-30代でオフィスワーカー(4.9±1.5D)に比べ屋外労働者(4.1±1.6D)が有意に低下したが(p<0.05)、40代以降では有意差はなかった。核部の散乱光強度増加に伴う調節力低下率は両群で有意差はなかったが、同一の散乱光強度であれば屋外労働者の調節力が約0.5D低くなった(p<0.05)。これは屋外労働者の調節力低下には散乱光以外の水晶体形状等の他因子の関与が示唆された。そこで形状の解析値により水晶体透明特性(LTP)を算出して検討したところ、LTPの増加に伴い調節力は有意に低下し(p<0.001)、両群での差はなくなった。ロジスティック回帰分析を用いた両群の比較では、40代のオフィスワーカーに比べて屋外労働者は有意なLTPの増加と調節力の低下が認められた。生体眼での水晶体硬化を測定することは難しいとされてきたが、水晶体核部の散乱光強度およびLTPを評価することで、核の硬化を示す代用値となる可能性が示唆された。さらに眼部紫外線被ばくが早期老視発症の要因となる可能性を示唆する1つの結果となった。
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Research Products
(4 results)