2016 Fiscal Year Research-status Report
エクソーム解析による眼内悪性リンパ腫の原因遺伝子同定
Project/Area Number |
16K11281
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 理恵 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70746388)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蕪城 俊克 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00280941)
田岡 和城 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30529178)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 眼内悪性リンパ腫 / 遺伝子変異 / エクソーム解析 / 網羅的遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年8月から2017年3月30日までに眼内悪性リンパ腫が疑われた患者30例35眼に対して硝子体手術を施行し、①細胞診、②IL10/IL6濃度比、③免疫グロブリンH鎖(IgH)遺伝子再構成、④フローサイトメトリー(CD3:CD19比、κ:λ比)の検査を行った。その結果、17例21サンプルについて眼内悪性リンパ腫と診断した。眼内悪性リンパ腫は殆どの症例がB細胞系リンパ腫であることが知られている。今回、微小サンプルから腫瘍細胞を効率よく採取するため、眼内悪性リンパ腫と診断された患者の硝子体液21サンプルについて、B細胞マーカーであるCD20/CD19に対するモノクローナル抗体で染色し、悪性リンパ腫細胞をフローサイトメトリーで回収した。回収された悪性リンパ腫細胞数は約100個から数万個と症例によりかなりの違いがあった。腫瘍細胞は培養し、凍結保存するとともに、一部の細胞からDNA、mRNAを回収した。網羅的な遺伝子変異の解析(エクソーム解析)を行うにはDNA量が足りないため、MDA法を用いてDNAの増幅を行った。患者の正常細胞と腫瘍細胞におけるDNAについてエクソン領域の遺伝子配列を比較し、腫瘍細胞のエクソン上の変異を検出を試みた。これまでに解析した4サンプルのうち1サンプルについてはエクソーム解析が可能であった。残り3サンプルに関しては増幅が不良で解析不能であった。現在、増幅不良の原因について検討を行っている。現在、抽出した腫瘍細胞の一部はセルカバーで保存し、転写効率の良好な方法を検討し、これを用いてRNAからcDNAへ転写・増幅している。今後も硝子体サンプルの採取を継続し、条件設定を最適化することで微量な眼内悪性リンパ腫細胞のDNAの増幅を行ってエクソーム解析を行っていく予定である。 研究はやや遅れていると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初から本研究の眼内悪性リンパ腫患者の目標症例数を40例としていたが、現在のところ17例21サンプルが得られている状態である。また、遺伝子解析についても網羅的遺伝子解析を行うにはDNA量が不足することが判明した。MDA法を用いてDNAの増幅を行うことで、エクソーム解析が可能となる目処はついたが、増幅がうまくかからないサンプルも多く、現在その原因を検討している。さらに硝子体サンプルの採取を継続し、サンプル数を増やす必要がある。研究はやや遅れていると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度も眼内悪性リンパ腫患者からの硝子体液の収集を継続し、目標症例数を40例の達成を目指す。眼内悪性リンパ腫細胞を回収し、培養、DNA抽出を行う。DNA抽出やDNA増幅の至適条件について条件検討を行い、エクソーム解析に必要なDNA量の確保を目指す。次年度はさらに多くのサンプルでエクソーム解析を行い、眼内悪性リンパ腫に高頻度にみられる遺伝子変異を絞り込んでいく予定である。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Long term Safety and Efficacy of Adalimumab in Non-infectious Uveitis patients.2016
Author(s)
蕪城俊克 , 後藤 浩, Eric B. Suhler, Glenn J. Jaffe, Quan Dong Nguyen, Antoine P. Brezin, Manfred Zierhut, Albert Vitale, Mirjam E. van Velthoven, Alfredo Adan, Lyndell Lim, Michal Kramer, Ariel Schlaen, Eric Fortin, Cristina Muccioli, Anne Camez, Alexandra Song, Martina Kron, Samir Tari, Andrew D. Dick.
Organizer
第70回日本臨床眼科学会総会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2016-11-05 – 2016-11-05
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Serum cytokine concentrations before and after starting of infliximab therapy.2016
Author(s)
Hisae Nakahara, Toshikatsu Kaburaki, Rie Tanaka, Kazuyoshi Ootomo, Mitsuko Takamoto, Ayako Karakawa, Kimiko Okinaga, Junko Matsuda, Yujiro Fujino, Hidetoshi Kawashima, Makoto Aihara.
Organizer
ARVO2016
Place of Presentation
Seattle, USA
Year and Date
2016-05-01 – 2016-05-01
Int'l Joint Research
-
-
-