2017 Fiscal Year Research-status Report
中心性漿液性脈絡網膜症における感受性遺伝子の同定とその臨床応用
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16K11286
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本田 茂 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (60283892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 明子 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10726988)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中心性漿液性脈絡網膜症 / 感受性遺伝子 / ゲノムワイド関連解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に行った中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)患者144人と自施設のコントロール144人を使用したゲノムワイド関連解析(GWAS)で得られた結果を受けて、更に統計的パワーを高めてより広く関連遺伝子多型を探求する目的で、中心性漿CSC患者144人と同じDNAチップを使用して得られた一般集団コントロール1174人のデータを用い改めてGWASを行った。GWAS施行にあたっては疾患群およびコントロール群に対してMDS解析などのquality controlを行い、また解析SNPのquality controlを行った。このGWASで有意な関連を示した上位50の一塩基多型(SNP)についてreplication studyを行った。replication studyにおいては新たなCSC患者183人とGWASで使用したものとは別の一般母集団2071人のサンプルから得られたimputation dataを使用した。imputation dataについてはquality scoreが0.7を超えるSNPのみを対象とした。その結果、GWASとreplication studyのメタ解析において複数の遺伝子領域にGWASレベルで有意なSNPおよび有意な関連が示唆されるSNPを同定した。さらに、それらのSNPについてはコントロール群においても実際にタイピングを行い、imputation dataがほぼ正確であることを確認した。有意な関連が認められたSNPに関してはregional plotやLDlinkによる連鎖不平衡の解析を行い、D'>0.9かつr-square>0.7を満たす周辺SNPについてfine mappingを行った。同定されたSNPは疾患感受性候補遺伝子のイントロンに位置するもので、現在同SNPの機能解析を施行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GWASとreplication studyのメタ解析において特定遺伝子領域にGWASレベルで有意なSNPを同定できたことにより、CSCの感受性遺伝子を同定するという本研究の主目的は達成できたと考える。現在は同SNPの機能解析を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
CSC関連として同定されたSNPは当該遺伝子のスプライシングに関与する可能性があり、データベース検索によるSNP機能の解析と発現遺伝子の分子量に変化が起こるかどうかを検証して行く。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りの予算使用であったが、消耗品や論文作成費等で若干の残額が生じた。これらは翌年度の研究にそのまま使用される計画である。
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Research Products
(11 results)