2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and clinical use of susceptibility gene of central serous chorioretinopathy
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16K11286
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
本田 茂 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60283892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 明子 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10726988)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 中心性漿液性脈絡網膜症 / 感受性遺伝子 / ゲノムワイド関連解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)は30~50歳代の男性に好発する疾患であるが、その病態には不明な点が多い。本研究ではゲノムワイド解析(GWAS)を含む包括的な遺伝子解析からCSCに関連する分子群(感受性遺伝子)を探索することで、同疾患の分子生物学的な病態解明を目指した。 まず、CSC患者144人と同じDNAチップを使用して得られた一般集団コントロール1174人のサンプルを用いてGWASを行った。このGWASで有意な関連を示した上位50の一塩基多型(SNP)についてreplication studyを行った。replication studyにおいては新たなCSC患者183人とGWASで使用したものとは別の一般母集団2071人のサンプルから得られたimputation dataを使用した。GWASとreplication studyのメタ解析において特定遺伝子領域にGWASレベルで有意なSNPを同定し、それらのSNPについてはコントロール群においても実際にタイピングを行い、imputation dataがほぼ正確であることを確認した。これら一連の解析の結果、我々が先に報告したCFH 遺伝子に加えて16番染色体上のSLC7A5 を有意な感受性遺伝子として世界で初めて同定した。SLC7A5 はRPEや網膜ミュラー細胞などに発現するアミノ酸トランスポーターであるLAT1をコードする遺伝子であるが、LAT1は胎生期における眼の発生に必須のタンパクであり、生体内においては血液脳関門におけるL-DOPAとアミノ酸の交換輸送に関わるなど重要な役割を果たしている。CSCの病態には血液網膜関門の異常が関与していると考えられている事からLAT1が同疾患の発症に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。 本研究の結果は今後のCSCの診断や治療選択において重要な情報を提供すると考える。
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