2018 Fiscal Year Annual Research Report
Chemokine receptor as therapeutic target in ocular angiogenesis
Project/Area Number |
16K11294
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
野崎 実穂 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (00295601)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 力 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (00324632)
平原 修一郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (00723462)
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (70191963)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ケモカイン / 眼内血管新生 / CCR3 / eotaxin / 増殖糖尿病網膜症 / 未熟児網膜症 / 眼内血管新生疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜病的血管新生をきたすoxygen-induced retinopathy(OIR) モデルマウスを用いてケモカイン受容体CCR3 抗体投与による治療効果について検討した。CCR3抗体の投与により、病的な血管新生は有意に抑制されており、VEGF164mRNAも有意に抑制されていたが、VEGF120mRNAは有意な抑制はみられなかった。また炎症性サイトカインMCP-1も、CCR3抗体により抑制されていなかった。 増殖糖尿病網膜症(PDR)症例と網膜前膜症例について手術時の摘出組織に対してCCR3の発現を免疫組織学的に検討したところ、PDR摘出組織では血管内皮にCCR3およびそのリガンドeotaxinが発現していた。CCR3のリガンドにはRANTESおよびeotaxinが知られているが、OIRモデルで検討したところ、RANTESは検出限界以下であり、eotaxinは、VEGFの変動と同じ発現上昇を認めた。今回の結果からCCR3を介した網膜血管新生のリガンドとして、eotaxinの関与が示された。また、糖尿病ではない絶対緑内障の摘出眼球の網膜血管内皮にはCCR3の発現は認めなかった。以上のことからCCR3は正常網膜血管内皮には存在していないが、血管新生をきたした血管内皮には発現していたことから、CCR3は正常網膜血管に対する副作用の恐れはなく、また、眼内のVEGF は生体の恒常性維持に必要であり、病的血管新生に関与するアイソフォームVEGF164 のみを抑制できるCCR3 を標的にした網膜血管新生治療の可能性があると考えられた。CCR3拮抗剤は、現在アメリカで滲出型加齢黄斑変性に対する内服薬として治験(第Ⅱ相)が始まっており、我々の研究から、加齢黄斑変性以外の増殖糖尿病網膜症、未熟児網膜症といった眼内血管新生疾患にも有効な可能性が示された。
|