2017 Fiscal Year Research-status Report
FGF21を標的とした新たな糖尿病網膜症治療の確立
Project/Area Number |
16K11311
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
大前 恒明 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30451470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 泰司 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (00333691) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 網膜循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病網膜症は発症の背景に網膜血流の低下があり、その低下した血流の改善をターゲットとした新たな網膜症の治療が期待されてい る。近年、脂肪細胞が蓄積することで、肥満症・高血糖・ 高血圧・脂質異常が重複するメタボリックシンドロームの発症が問題とな っている。また、脂肪 細胞は、糖・脂質代謝の役割をしている FGF21 という生理活性物質を放出することが知られてい る。さらに 、糖尿病網膜症の重症度と血中の FGF21 濃度が相関することから、網膜症の病態に FGF21 の関与が示唆され、FGF21の網膜循環の調 節因子としての可能性がある。本研究ではFGF21の網膜 循環への影響を詳細に検討し、網膜症の原因となる網膜循環障害の改善につな げ、将来的には2 型糖尿病患者における網膜症の発症・進展を予防する集学的治療法の確立を目指したい。 研究の予定としては、初年度は、ブタやネコなどの基礎研究を中心に行い、2、3年度は臨床研究において、FGF21の網膜循環における影響を検討する予定。 まず、ブタの網膜摘出血管の実験系で、FGF21の網膜血管における直接的な影響を検討したが、網膜血管径に変化はなかった。 また、血中FGF21濃度の変化と網膜循環に変化をみるため、血中FGF21濃度を上昇させると報告されている糖尿病薬の1つであるメトホ ルミンを含んだ餌をネコに与えたが、メトホルミンを含んだ餌をあまり食べなかった。2年目の今年は、糖尿病患者の網膜循環と血中のFGF21の濃度を検討したが、網膜循環とFGF21の濃度と明らかな相関は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年は、基礎研究を行い、今年度は、臨床研究として、血中濃度のFGF21と網膜循環の検討を行えたことから、概ね順調に研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回は、FGF21の血中濃度の検討は出来たが、ただ患者数が20人程度と多くなく、さらに多くの検討と同時に、FGF21の硝子体濃度と網膜循環の検討なども行なっていく。また、FGF21だけでなくFGF21のアナログであるLY2405319の検討がまだできていないので、今後、基礎・臨床研究で検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
臨床研究において、血液や硝子体のサンプルが十分に集まらなく、サンプルを測定するキットや外注に出す費用が予定より低く抑えられ、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(1 results)