2017 Fiscal Year Research-status Report
網膜色素変性に対するカルパイン分子標的を応用した新規治療法
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16K11313
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中澤 満 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80180272)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 網膜色素変性 / カルパイン / 視細胞死 / ロドプシン / RCSラット |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜色素変性に代表される遺伝性網膜変性に対する新規治療法の開発を目指した研究として、網膜視細胞死を抑制することで視細胞保護を図ることを本研究課題にて申請している。とくに視細胞死においてカルパインが重要な役割を演じていることから、カルパインを阻害するペプチドを用いて視細胞死を抑制することができるかどうかについて研究を行っている。これまでの予備的研究から網膜色素変性のモデルラットに対して、カルパインペプチドの点眼投与によって視細胞が抑制されることを示した。当該年度においてはカルパイン抑制ペプチドの網膜への持続的送達を目的としてペプチドを徐放性に投与できるデバイスの作成に主眼をおいた研究を行った。その結果、ペプチドの徐放デバイスを作成できたので次年度にその効果を検証できる段階になった。それと並行して、網膜変性の進行度合いの評価を光干渉断層計(OCT)を用いて非侵襲的に形態評価を行えるようになることを目的として、各種の網膜色素変性ラットやマウスの網膜変性過程をOCTにて追跡し、実際の組織所見を光学顕微鏡所見と電子顕微鏡所見にて解析して、OCTでの異常所見を定性的および定量的に解析した。その結果、視細胞変性過程のうち、視細胞外節や同内節の病的変化はOCTにおける視細胞内節外節層の一様な高輝度像として捉えられることと、視細胞の核の部分にあたる外顆粒層の菲薄化はOCT像のsegmentation解析により評価できることが明らかになり、ペプチド徐放デバイスの効果判定の基礎的な準備を整える事が出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
網膜変性のOCTによる進行評価が確実に行えるようになったと言える。このため、目的とするカルパイン抑制ペプチド投与持の網膜変性進行の形態面での評価が容易になった。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度において作成したカルパイン徐放デバイスを用いてこれをRCSラットなどの網膜色素変性モデルラットの眼球結膜下に移植して、変性進行抑制効果が見られるかどうかについて、OCTと網膜電図との両面から検討する方針である。
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Research Products
(9 results)