2016 Fiscal Year Research-status Report
高次収差解析による近視進行コアメカニズムの解明と新理論に基づく近視抑制CLの開発
Project/Area Number |
16K11316
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平岡 孝浩 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30359575)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 近視 / 高次収差 / コンタクトレンズ / 調節 / 視機能 / 眼軸長 |
Outline of Annual Research Achievements |
近視学童から得た臨床データを蓄積し,詳細な解析を行ったところ,高次収差成分と眼軸長伸長の密接な相関が確認された.特に垂直コマ収差(C3-1)と球面収差(C40)に関して具体的な数値目標が定まったため,これらの収差量を意図的にソフトコンタクトレンズに組み込むためのデザイン作成を試行錯誤し,目標に合致したレンズの作成に漕ぎ着けた状態である.コマ収差はレンズ前面オフセットにより,球面収差は前面の非球面デザインを採用することにより目標をクリアした.今後,このレンズを健常ボランティアに装用してもらい,視機能や調節におよぼす影響を検討する予定である. 多症例において視機能の確保と調節域の拡大効果や調節負荷(調節微動)軽減効果が認められた場合は,近視進行抑制効果を確認するための臨床試験へと移行するが,もし意図するような視機能の確保と調節への好影響が確認できない場合は,レンズデザインの変更を行う予定である.レンズデザインの最適化にはもう少し時間がかかる可能性があるが,現時点では予定よりも早く研究が進行しており.概ね順調と言える.また学童データも並行して集積を継続しているため,ある程度の数が集まったところで再解析を行う予定である. 本研究結果は現在世界中で問題となっている近視人口および病的近視の急激な増加を抑制する可能性を大いに秘めているばかりでなく,そしてそれに伴う重篤な眼合併症の減少や医療経済への負荷の軽減も期待できることから極めて有用な研究であると言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究は至って順調であり,予想以上の新知見が得られたため特許申請の手続きを進めている状況である.今後の推進方策については当初の研究プラン通りに順を追って進めていく予定である.現時点で変更事項はない.
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Strategy for Future Research Activity |
上記に記したように,既に高次収差制御ソフトコンタクトレンズの試作品が出来上がっており当初の予定より早く進行していると言える.
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