2017 Fiscal Year Research-status Report
高次収差解析による近視進行コアメカニズムの解明と新理論に基づく近視抑制CLの開発
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16K11316
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平岡 孝浩 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30359575)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 近視 / 高次収差 / コンタクトレンズ / 調節 / 視機能 / 眼軸長 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に行った研究結果をまとめて論文化した(Hiraoka T, et al. Relationship between higher-order wavefront aberrations and natural progression of myopia in schoolchildren. Sci Rep. 2017 Aug 11;7(1):7876. doi: 10.1038/s41598-017-08177-6. PMID: 28801659). また2年目に予定していた特殊ソフトコンタクトレンズ(高次収差コントロールSCL)の詳細なデザインの決定についても,組み込む収差成分,収差量,収差方向を決定し,試作レンズを作成した.これらの試作品を用いてプレリミナリーなデータを収集中であるが,試作レンズの度数が限られていたため,協力者が現れても度が合わないという事象が生じたため,近視度数の幅を-1~-6Dまで0.25D刻みで取り揃え,再度データを収集している状況である.ある程度のデータが集まったところで有効性を判定し,期待される結果に近ければ,近視学童ボランティアを募り,実際に装用してもらい調節への影響や視機能への影響について詳細に検討する予定である. 具体的なソフトコンタクトレンズのデザインも決まり,いよいよ臨床応用が近づいたことを実感している.本レンズの有用性が証明されれば実に画期的なことであり,現在世界中で問題となっている近視人口および病的近視の急激な増加を抑制するばかりでなく,そしてそれに伴う重篤な眼合併症の減少や医療経済への負荷の軽減も期待できることから極めて有用な研究であると言える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に得られた結果に関しては特許申請を行った.また本年度に計画していた研究も順調に進んでいる.さらに着実に遂行していく予定である.現時点で大幅な変更事項はない.
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Strategy for Future Research Activity |
上記に記したように,高次収差制御ソフトコンタクトレンズの最終試作品が出来上り,さらに多くの症例に対応できるように近視度数のバリエーションを大幅に拡張した.これらを用いて最終年度の目標を達成できるように順を追って研究を進めていく予定である.現時点で直面している壁や新たな課題等はない.
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