2016 Fiscal Year Research-status Report
神経保護合剤点眼による視神経挫滅モデル・NMDA投与モデルでの神経保護効果の検討
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16K11318
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
忍足 俊幸 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (40546769)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経保護 / 再生 / 神経保護合剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
in vivoの予備実験として、ラット網膜3次元培養を用いた神経保護剤の併用効果の検討を行った。用いた薬剤はciticoline, TUDCA, 及びNT-4である。AGEを負荷した培養群ではコントロールに比べ有意に細胞死が増加し、再生突起数が減ることがわかっている。そこでAGE負荷群に神経保護剤単独、citicoline+TUDCA(2種混合)、citicoline+TUDCA+NT-4(3種混合)で付加した培養群を作成し、培養7日でTUNEL染色・再生突起数の観察を行った。また、JNK、caspase-9の免疫染色も行った。統計はOne-Way ANOVAで行った。どの栄養因子投与グループも有意にTUNEL陽性率が減少し、再生突起数が増加した。また、JNK・caspase-9の免疫活性も有意に減少した。しかしながら、3種混合剤ではどのグループと比較しても優位に再生突起数が増加した。これらの結果から、栄養因子の3種混合剤は最も有効に細胞死を救済し、再生を促進することが示唆された。現在ラット視神経挫滅モデルを作成し、点眼による神経保護・軸索保護作用をin vivoで検討中である。なお、培養による予備実験の成果は、BioMed Research Internationalに掲載受理された。 また、in vivoでの残存RGCs数評価方法として従来検討していたpre lableではDM慢性疾患に応用しようとしたとき侵襲が強くなるため、Brn3aの免疫染色による評価方法を確立することにした。試行錯誤の結果、最適な染色条件と方法を確立できたため、今後はin vivoでの点眼による合剤の効果を検討していくことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験の成果が早々に論文としてまとまり、掲載受理された。そのため、in vivoでの実験を組む際、introductionで引用する論文ができたため、今後論文を掲載する際有利な状態となった。in vivoの実験は進行中であるが、培養での結果から、よい成果があがることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、in vivoにおける視神経挫滅モデルを作成中である。評価方法のメインはwhole mount retina標本での残存RGCsの評価であるが、今後慢性疾患での評価にも使えるようにするため、pre labelではなくBrn3aの免疫染色による評価法を検討し、その方法もうまくoptimizeできた。今後は一度に多くのラットモデルを作成し、神経保護剤単独、2種、3種合剤の点眼による神経保護・軸索保護効果の検討を行っていく予定である。
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